建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年4月号〉

【ZOOM UP】

端野地区のシンボル「小・中・地域連携型」エコスクール端野小学校を建設

―― 端野中学校と連携強化で「学び」「ふれあい」北見市モデル校目指す

北見市立端野小学校改築工事

外観完成予想パース

 北見市立端野小学校は、平成22年3月に移転改築された端野中学校との連携を視野に入れ建設が進められ、端野地区の「学び」「ふれあい」の場を目指す小中連携モデル校として注目されている。
 児童の安全通学路となる敷地周辺環境は、住宅地で地域住民の目が届き、交通量の多い国道から程よく離れた平均的に通学時間が短縮できる位置にある。
 また敷地の北東側には端野公民館、農業者トレーニングセンター、端野図書館や屯田の杜公園。南東側には太陽っ子児童館などの社会教育施設もあり、相互に連携を図ることができる位置にある。
 この地域は水害等の災害の恐れが少なく、自治区域内の避難場所として機能しやすく、災害支援が容易にできる場所となる。

■設計コンセプト

 設計にあたり、田園にとけこみ端野地区のシンボルとなる「小・中・地域連携型」エコスクールとし、端野地区の「学び」「ふれあい」の場を目指す。

●端野中学校との連携強化を図る

 端野中学校に最大限接近させる配置(中学校の日陰、サービス車両動線に配慮し隣棟間隔を設定)とする。
 前面道路から端野中学校同様にセットバックさせ、より一体的な学校施設となるよう計画する。
 屋内運動場は中学校の屋内運動場やグラウンドとの動線に配慮するとともに、日照及び採光条件を考慮する。
 給食動線は既存給食室の配膳室及び小荷物専用昇降機を活用し2階ブリッジでつなぐ。(中学校設計時の考え方を継承、冬場の除雪作業軽減を踏まえサービス車両動線の現状維持、既存給食室の改修を避ける)

●安全・安心な健康な施設

 歩車分離、管理部門からの視認性確保、死角が少ない見通しの良い屋外空間、屋内外の動線短縮化を全体的に計画する。
 校内内部には吹抜を設け、自然採光と自然通風に配慮した平面・断面構成とした。ホールなどの共用スペースはゆとりを持たせる。
 普通教室の配置は端野中学校同様に日照条件の良い南東側とし、低学年及び特別支援教室は1階に配置し、屋外空間とのつながりを重視した。
 プール棟は校舎棟の日影にならない位置とした。また、児童動線や一般開放動線に配慮した。

●経済性・維持管理性

 施設はシンプルな形状かつコンパクト化(屋内運動場を内包)を図ることで、校舎及び屋内運動場の構造架構の共有や設備配管の短縮化などによる建設コスト縮減、暖房負荷の低減、屋外外空間が広くなり計画の自由度が高まる。また、敷地内死角の減少や管理がしやすくなるメリットが生まれる。
 さらに、端野中学校同様に外断熱工法を取り入れたことで構造体の耐久性が向上し、熱も逃がさないので光熱費の削減となる。

●その他の特徴

 ハートビル法の目的を遵守し障がいのある人や高齢者にも不自由なく使用できる施設設計とした。
 施設は、外断熱、エコガラスの使用や太陽光発電(10KWH)を設備する。校舎暖房はEHPを採用、屋体は災害時の速暖性を考慮した灯油温風ボイラーを採用した。
 さらに、内装は北見市公共施設建築物木造化・木質化推進方針に基づき地域材を活用するほか、災害時の避難所機能を備えた地域密着で温かみのあるエコスクール化を進めている。竣工は平成27年11月の予定。

外観完成予想パース(鳥瞰)


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