建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年4月号〉

岡山の安全・安心で便利なみちづくり

―― 玉島・笠岡道路(T期)の整備効果

国土交通省 中国地方整備局
岡山国道事務所
所長 渡邊 良一


図 玉島・笠岡道路の位置図

1.はじめに

 日頃より、岡山国道事務所の道路行政に多大なるご理解、ご協力をいただき誠にありがとうございます。岡山県内の地域活性化、交通利便性の向上、安全・安心な道路の実現のため、関係機関と連携しつつ、職員一同全力で取り組んでおります。
 昨年度は、「道路法施行規則の一部を改正する省令」により、橋梁・トンネル等は、国が定める統一的な基準により、5年に1回の頻度で近接目視により点検を行うこととなりました。これを受け、道路構造物の老朽化対策を計画的・効率的に行うことを目的として、岡山県内全ての道路管理者からなる「岡山県・道路メンテナンス会議」を設立し、これまでに、自治体支援の取り組みの一環として合同現地確認等の活動を行っています。
 また8月には、広島県で豪雨による大規模な土砂災害が発生し、それに伴い、岡山国道事務所から、TEC−FORCE(テック・フォース)(国土交通省緊急災害対策派遣隊)の隊員として4名の職員を派遣し、被災地の復旧に向けた支援を行いました。
 今後も、道路構造物の老朽化対策、自然災害への対応に万全の態勢で取り組むとともに、交通混雑の緩和や交通安全の確保のために必要な道路ネットワーク整備に取り組んでまいりたいと考えております。

2.岡山国道事務所管内の道路整備事業

 岡山国道事務所管内の道路整備事業につきましては、岡山市周辺部では、地域高規格道路「岡山環状道路」の南西部区間に位置する「一般国道180号 岡山環状南道路」の整備を進めてまいります。また、岡山市北区楢津から総社市井尻野に至る「一般国道180号 総社・一宮バイパス」については、岡山市北区楢津〜一宮山崎の区間の平成27年度開通を目指し、整備を進めております。
 岡山県西部地域では、倉敷市新田から倉敷市船穂町船穂に至る区間において4車線化を行う「一般国道2号 倉敷立体」について、平成31年度完成を目指し、整備を進めてまいります。地域高規格道路「倉敷福山道路」の一部を構成する「一般国道2号 玉島・笠岡道路」、「一般国道2号 笠岡バイパス」につきましても整備を進めており、特に「玉島・笠岡道路(T期区間)」(倉敷市玉島阿賀崎〜浅口市金光町佐方)は本年の3月29日に開通いたしました。
 岡山県北部地域では、久米郡美咲町打穴中から津山市平福に至る「一般国道53号 津山南道路」の整備を引き続き進めてまいります。

図 一般国道2号の計画概要

3.玉島・笠岡道路(T期)の整備効果

 一般国道2号玉島・笠岡道路(T期)(玉島西IC〜浅口金光IC間(延長4.5km))が、平成27年3月29日(日)に開通しました。玉島・笠岡道路(T期)は、岡山県西部地域の交通混雑の緩和、交通事故の削減及び周辺地域との連携を強化し、地域の発展に資することを目的とした自動車専用道路の一部です。今回の開通により、主要渋滞箇所である唐船交差点を経由せずに通行することが可能となり、交通混雑の緩和が期待されます。
 今後、「玉島・笠岡道路(U期)」、「笠岡バイパス」が整備されることにより、水島臨海工業地帯等に立地する企業の安定供給を支える良好な物流環境及び周辺における地域企業の生産性の向上などが期待されます。主な整備効果は以下のとおりです。
■地域の経済を支える良好な物流環境の向上
 道路ネットワークの強化による定時性の向上、自動車専用道路を利用した輸送の安全性向上など、良好な物流環境が整うことにより、企業のコスト削減など生産性向上が期待されます。
■新たな雇用の創出など地域経済の発展
 新しい道路を軸とした交通の利便性向上により、沿線における事業活動の促進や企業誘致による雇用の創出など地域経済の発展が期待されます。
■道路整備による様々な地域への効果
 交通事故の削減及び幹線道路遮断の回避、地域有数の混雑箇所の緩和、観光拠点へのアクセス向上などが期待されます。
 最後になりますが、岡山国道事務所の事業につきまして、より一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

写真 整備前の課題

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