建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年3月号〉

【ZOOM UP】

原子力災害に備え「国・道・地元4町村・防災関係者」が一体で対策に当たる施設を共和町に建設

―― 東日本大震災の既存オフサイトセンターの教訓を活かす

北海道建設部 (仮称)緊急事態応急対策拠点施設新築工事

南側立面図
西側立面図

 北海道は「オフサイトに係る設備等の要件に関するガイドライン」に基づき、泊原子力発電所において、原子力災害が発生した時に緊急事態対応対策の拠点施設として国、北海道、地元4町村(泊村、共和町、岩内町及び神恵内村)及び防災関係者が一体となって対策に当たるための施設を国の補助事業で北海道が整備を進めている。
 施設は、非常時(原子力災害時)に緊急事態応急対策の拠点として対応するほか情報発信基地となる施設とする。
 また平常時は、原子力災害時の防災訓練の場や防災啓発活動の拠点施設として利活用する。
 施設の基本設計方針は、「オフサイトセンターに係る施設等の要件に関するガイドライン」に基づき設計する。(1)東日本大震災の既存オフサイトセンターの教訓を活かし寒冷地対応BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対応を加えたタフな施設とする。(2)非常時、平常時に求められる機能に対応できるフレキシビリティの高い施設とする。(3)平常時の維持管理を考慮した施設とする。(4)寒冷地仕様に対応した施設とする一などを基本にしている。
 さらに、施設の基本仕様としては、原子力災害が発生した時に緊急事態応急対策の拠点として約240人が7日程度篭城して応急対応が可能な機能を有する。

附近見取図

■立地要件:泊原発から10kmの位地にある。
■緊急参集者への対応:施設へのアクセスは陸路及びヘリコプターでの空路を想定する。
■通信回路の確保:通信は多重化・多様化して複合災害に対処する。
■機能スペースの確保:1階=事務所、計測室、機材庫、機械室、仮眠室、休憩室、食料庫等/2階=全体会議室、会議室/3階=プレスセンター
■放射線防護:鉄筋コンクリート外壁(20cm)、高性能フィルターによる換気設備、除染室、除染設備を設置する。
■維持管理体制:北海道は国の原子力防災専門官と連携し情報を共有して一体的な運用管理を行なう。
■複合災害への対応策:地震や台風などの複合災害に対応し重要な施設は2重化とする。
■地震への対応策:重要度係数1.5
の基礎免震構造としている。

事業経緯と計画

平成25年度:基本・実施設計、外構実測、地盤調査
平成25〜26年度:新築工事・監理(建築・電気・機械)、新築敷地造成工事・監理
平成27年度:外構工事・監理


HOME