建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年3月号〉

【TOPICS】

道開発予算は3年連続の増額に前年比1.3%増の総額5412億円、道開発事業費は5312億円を計上

―― 北海道の基幹産業「食」「観光」を重視し農業・水産物の生産基盤整備や
   物流ネットワーク整備の予算編成

2015年度 北海道開発予算

はじめに

 2015年度予算案は昨年末の衆議院解散総選挙の関係で通常国会は1月26日開会された。先ず経済対策を柱とした2014年度の3.1兆円補正予算成立し、年度末の成立を目指し本予算の審議が始まった。政府が閣議決定した2015年度予算案は一般会計が96兆3420億円で過去最大となった。
 その中で、北海道開発予算案は、防災・減災対策の推進を基本に@個性あふれる地方の創生A食料供給力の強化B安全・安心な国土の形成一を重点項目に公共事業費は前年を上回る予算編成となった。
 道内の建設業にとっては3年連続の増額で明るい兆しとなっているが、反面、長年続いた公共事業費削減により労働者・技術者不足や人材育成の取り組み、や建設資材費高騰など厳しい課題とも向き合い企業業績向上を図ることになる。
 国・道は「防災・減災対策」「強靭な国土づくり」の担い手である建設業の健全発展と魅力ある建設業に向け若手人材育成など長期的視野に立ち社会資本整備事業推進や建設業界の課題解決に取り組むとともに、補正予算並びに本予算の早期執行を進めてほしい。

2015年度北海道開発予算案

 2015年度の北海道開発予算案は総額5412億円が計上され、その中で、公共事業費に当たる北海道開発事業費は5312億円で前年比1.3%増となった。さらに、2014年度補正の直轄・補助、追加補正などが配分され2015年度の北海道開発事業費は総額6534億円となる。
 2015年度本予算から、部門別事項を見ると、治山治水が941億円(昨年比0.1%増)でほぼ横ばい予算となったが、道路整備で1918億円(前年比2.4%増)、農林水産基盤整備で1138億円(前年比2.6%増)を計上し、うち農業農村整備で2.4%増、水産基盤整備が3.3%増の伸びとなり、北海道の基幹産業「食」「観光」を意識した予算編成となっている。

主な事業内容

 北海道開発予算は、「第7期北海道総合開発計画」基づき、北海道が強みとする「食」「観光」「環境・エネルギー」分野を中心に日本再生に貢献できよう、地域・民間の様々な社会経済活動を支える基盤整備推進に重点を置き、“食糧供給力の強化”“持続可能な低炭素循環型社会の形成”“災害に強い地域・国土の構築”の3施策を重要課題と位置づけられている。その中で2015年度予算でも農林水産基盤事業や道路整備事業を重視した予算編成となっている。
 主な事業項目は、広域ネットワーク強化として北海道横断自動車道網走線で「訓子府〜北見西間」、根室線で「白糠一阿寒間」の整備推進、また、「釧路西〜釧路間」の釧路外環状道路の整備事業などを進める。
 食料供給力強化に向けた農業農村整備事業では、ほ場の排水改良や大区画化・担い手への農業集積などで生産基盤整備を図るほか国営農地再編整備事業を促進する。治水事業では千歳川遊水地や石狩川北村遊水地整備を進める。
 ダム関連では上川管内サンルダム、日高管内平取ダムで本体工事や幾春別川総合開発事業(新桂沢ダム、三笠ぽんべつダム建設)事業を進める。
 港湾・空港事業においては新千歳空港の施設更新として健全な機能保持のため滑走路改良、耐震強化を進める。釧路港で穀物の大量輸送化として国際物流ターミナル整備を推進する。




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