建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年2月号〉

【ZOOM UP】

災害に強い都市構造に基づく安心・安全な団地づくりを推進

―― 津波避難ビル機能を備えた市営住宅2棟105戸を建設

釧路市 鳥取南団地A棟公営住宅建設事業

外観完成予想パース

 釧路市が建設を進めている鳥取南団地は、老朽化した鳥取団地の建替えとして、年次計画に基づき、A棟、B棟の2棟を建設する予定で、現在A棟の建築を進めている。
 建設地は、釧路市の北西地区に位置する工業地域で、周辺には、工業、産業施設が数多く点在し、幹線道路を介した敷地向い側には道営住宅新富士団地が立地している。
 施設整備にあたっては、2011年3月11日の東日本大震災では、釧路市においては最大2.1mの津波が襲来し、釧路川河口部や、湾岸施設に多数の被害が発生した。
 そこで、釧路市が策定した「釧路市地域防災計画」では「快適で安心して暮らせるまちづくり」を目指し、特に災害に強い都市構造の構築、地震に伴う津波対策を推進している。建設地は最大で8m前後の津波が想定されていることから、津波発生時には周辺住民も避難が可能となる、津波避難ビルの機能を兼ね備えた市営住宅を建設することとなった。
 建物は鉄筋コンクリート造5階建で4、5階の共用廊下を避難用に住民に開放し、毛布や飲料水などを備蓄できるスペースも設置した。さらに、従来では立入ることができなかった屋上に転落防止柵を設置し、ヘリコプターが停止飛行しながら避難者を救助できるように整備する。
 A棟の完成は平成27年11月頃を予定している。


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