建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年2月号〉

【ZOOM UP】

校舎棟と新屋内運動場を最短距離で連結

―― コンパクト施設設計で敷地の有効利用を図る

釧路市立鳥取中学校屋内運動場改築


■建設経緯

 釧路市が建設を進めている釧路市立鳥取中学校は、北に広がる釧路湿原を背に新釧路川と仁々志別川の合流点付近に開けた閑静な住宅地の一角に位置している。
 同校は戦後間もない昭和22年に新制中学校「北海道釧路郡町立鳥取町学校」として設置され、昭和24年10月に鳥取町と釧路市の合併に伴い「釧路市立鳥取中学校」に改称された。
 今回、改築工事の旧屋内体育館は昭和47年に建設。現校舎は昭和50〜54年にかけて建設されたもので、校舎棟はPFI事業により耐震改修・大規模改修を進めている。屋内体育館も並行して耐震改修の予定であったが、構造耐力が著しく低下しており、残存耐用年数との兼ね合いと費用対効果等を総合的に検討した結果、改築することとなった。

■整備趣旨

 現状の生徒の通学動線は、旧屋内運動場がある西側住宅地方向が8割、現校舎へのメインアプローチであった、新釧路川方面の旧校門から約2割程度。当初は旧運動場に隣接する位置に建設する案(西側配置)が検討されたが、屋内運動場の一部がグラウンド突出して生徒昇降口までの通学動線がグラウンドに食い込みグラウンドの有効面積が小さくなるため、学校敷地全体の有効利用を図る観点から東側配置案とした。
 これにより、1)新屋内運動場と普通教室棟が階段室棟を挟んで最短距離で連結され、移動時間が短縮される。2)旧屋内運動場跡地を駐車場兼用の多目的スペースとして活用できる。3)東西両方面からの通学動線が直線でつながり、グラウンドの有効面積が確保される。4)新屋内運動場の社会開放用玄関が既存の駐車場に面することで、入学・卒業式などの学校行事に車で来校する父兄の動線が短縮される。

■新屋内運動場の特徴

(1)校舎2階から直接入場できる本格的な武道場。
(2)アリーナ競技の応援・観戦ができ、開口部のメンテナンズがしやすい広めのキャットウオーク。
(3)地震・大雨時の避難施設として開設された時のためシャワールームを設置。
(4)LED照明(省エネ・長寿命化)とする。


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