建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年2月号〉

年頭所感

食・観光・エネルギーなどの豊かな資源を生かし安全・安心で自立した地域づくりを目指す

国土交通省 北海道開発局 稚内開発建設部
部長 七澤 馨

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 北海道開発行政の推進につきまして、日頃から特段のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 稚内開発建設部では、昨年、国道40号更喜苫内防雪事業の完成や国営土地改良事業地区調査の「幌延地区」の着手など、地域の皆様からの長年にわたる要望に応えることができました。
 また、昨年8月の大雨による礼文町での災害の際には、現地情報連絡員(リエゾン)や緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)、さらに港湾業務艇りんどうを派遣し、礼文町を支援したところです。
 一方、宗谷管内全般を振り返りますと、「利尻礼文サロベツ国立公園」の指定40周年、日本最大級の豪華客船飛鳥Uの稚内寄港やぱしふぃっくびいなすの利尻・礼文の周遊、FDAのチャーター便の就航先が5空港へ増えたことなど、道北を訪れる観光客の増加につながる動きが続いています。
 さらに、宗谷管内への外国人観光客は増加傾向にあり、とりわけ台湾やタイからの観光客が急増しています。
 稚内開発建設部では、国境や離島を有する地理的条件、食・観光・エネルギーといった豊かな資源、サハリン交流の北の玄関口などの特性を活かし、安全・安心な国土づくり、活力ある自立した地域づくりに向け、平成27年も社会資本整備を進めます。
 道路整備事業では、地吹雪による視程障害の解消のため、国道40号の幌延町において天塩防災事業を、オホーツク海沿岸の海岸浸食による道路破損及び地吹雪等の危険箇所解消のため、国道238号の浜頓別町・猿払村において浜猿防災事業を実施してまいります。

 また、「事故ゼロプラン」に基づく交通安全対策として、国道238号の枝幸町において岬町視距改良を進めます。
 港湾整備事業では、重要港湾の稚内港において、地域水産業の拠点となる第1副港地区岸壁の老朽化対策及び土木学会選奨土木遺産等である北防波堤ドームの機能維持・延命化に取り組んでまいります。地方港湾では、沓形港においてフェリーが着岸する岸壁の老朽化対策を実施してまいります。その他の地方港湾でも安全・安心な生産活動を確保するため防波堤や岸壁の老朽化対策に取り組んでまいります。
 空港整備事業では、稚内空港の老朽化している場周柵の改良を進めてまいります。
 農業農村整備事業では、豊富町及び猿払村において、それぞれ国営総合農地防災事業「サロベツ地区」、「ポロ沼地区」を、浜頓別町において国営農地再編整備事業「東宗谷地区」を実施してまいります。また、稚内市及び幌延町において、それぞれ国営土地改良事業地区調査「勇知地区」、「幌延地区」を推進いたします。
 漁港整備事業では、抜海漁港において、漂砂による港内埋没を防止し船舶の安全航行を図るための防波堤の整備、また、礼文西漁港、仙法志漁港では、漁業活動の効率化や就労環境の改善のための防波堤や船揚場の整備に取り組んでまいります。
 今後、急速に進むと見込まれるインフラの老朽化に関し、昨年国土交通省が策定した「インフラ長寿命化計画(行動計画)」を踏まえ、自治体の実務者向けに施設点検の講習会の開催や、相談窓口を開設するなど、技術的支援を行ってまいります。
 稚内開発建設部では、近年激甚化が見受けられる災害に対して全力で取り組みます。加えて自治体へ現地情報連絡員(リエゾン)や緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)の派遣など、積極的に支援してまいります。
 当部の事業や取組へのご理解、ご支援をお願いいたします。
 結びに、本年が皆様にとって希望に満ちた明るい年になることを祈念し、年頭のご挨拶といたします。

昭和33年4月14日生  北海道出身
昭和58年3月 北海道大学大学院工学研究科土木工学専攻修士課程修了
昭和58年4月 1日 北海道開発庁採用(土木試験所)
平成11年4月 1日 旭川開発建設部旭川河川事務所長
平成12年4月 1日 旭川開発建設部旭川道路事務所長
平成14年8月 1日 事業振興部技術管理課防災対策室防災対策官
平成15年7月18日 北陸地方整備局横川ダム工事事務所長
平成17年8月 2日 石狩川開発建設部次長
平成18年7月 11日 釧路開発建設部次長
平成19年4月 1日 北海道建設部土木局砂防災害課長
平成21年7月 14日 開発監理部開発環境課長
平成23年4月 1日 建設部河川工事課長
平成24年4月 1日 独立行政法人土木研究所 寒地土木研究所特別研究監
平成25年8月 1日 稚内開発建設部長

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