建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年2月号〉

年頭所感

幹線道路整備や橋梁・堤防の耐震対策強化で大震災に備え地域住民を守る事業を推進

国土交通省 北海道開発局 帯広開発建設部
部長 板倉 純

 新年明けましておめでとうございます。皆様には、健やかに新年をお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
 帯広開発建設部が実施しております開発事業の推進につきましては、日ごろから特段の御支援と御協力を賜り厚くお礼を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、民間有識者らでつくる「日本創成会議」が5月に日本の将来人口に関する独自推計を公表し、2040年時点における20〜39歳の女性の割合が十勝管内の13市町村で半分以下になり、自治体の行政機能の維持が困難になるという危機的な数字を発表したことなどを契機として、十勝管内においても、人口減少に関した様々な問題が議論され、社会資本の老朽化への対応や、ゲリラ豪雨等の自然災害への備えの必要性などと共に人口減少問題が大きくクローズアップされた年となりました。

 また、平成23年に北海道横断自動車道札幌〜帯広間が全線開通した効果等により、十勝管内への観光客の入込数は、平成15年度以降平成20年度を除いて前年を上回る数字が続き、最新の平成25年度の数値では、0.6%増の約967万人を記録し、現行の調査方法となった平成9年度以降では最多の入込となりました。
 人口減少傾向の状況の中で地域を活性化させていくためには、こうした十勝管外からの観光客の誘客など、十勝管内への人や物の流れを活発にしていくことが大変重要になると思います。このため、帯広開発建設部では、北海道横断自動車道の新直轄区間である本別〜釧路間、陸別町陸別〜北見間、帯広・広尾自動車道の中札内〜大樹間の道路整備事業を実施するなど、引き続き十勝管内外の交通ネットワークの充実に努め、さらなる交流人口の拡大を図っていきます。
 また、全国平均より早いペースで人口減少が進み、札幌圏、東京圏への人口流出が進んでいる北海道の地方圏域の中において、他圏域に比べ十勝圏域からの人口流出がある程度抑えられているのは、農業を基盤として安定した産業構造を構築していることが要因と考えられます。このため、農業用水の確保、排水改良、農用地の開発など、農業生産基盤の整備を進め、一次産業のさらなる発展と「フードバレーとかち」の取組を支えていきます。
 さらに、地域住民の皆様に地元に住み続けていただくためには、安全・安心の地域づくりに努める必要があります。このため、大震災に備えた幹線道路の橋梁耐震補強や堤防整備・耐震対策など、災害に強いまちづくりを着実に進めていきます。人口減少が進み、税収も落ちる中、こうした社会資本の整備や維持管理は地域共通の課題ですが、老朽化対策や長寿命化に向けた取組も進めていきます。
 最後になりますが、新しい年が皆様方にとりまして素晴らしい年でありますよう、また十勝地域がますます発展しますよう御祈念申し上げ、新年のあいさつとさせていただきます。

板倉 純 いたくら・じゅん
昭和32年12月4日生 北海道出身
昭和55年3月 北海道大学農学部卒業
昭和55年4月 農林水産省採用
平成 6年8月 同  構造改善局建設部防災課課長補佐
平成 7年4月 北海道開発庁北海道開発局札幌開発建設部農業開発第1課長
平成10年4月 同  北海道開発局農業水産部農業水利課長補佐
平成12年6月 同  北海道開発局農業水産部農業水利課事業調査官
平成13年1月 国土交通省北海道開発局釧路開発建設部次長
平成16年4月 同  北海道開発局札幌開発建設部次長
平成17年4月 同  北海道開発局開発監理部職員研修室長
平成19年8月 同  北海道開発局農業水産部農業振興課長
平成20年8月 同  北海道開発局農業水産部農業水利課長
平成21年4月 同  北海道開発局農業水産部農業整備課長
平成22年5月 同  北海道開発局農業水産部農業計画課長
平成23年4月 同  北海道開発局網走開発建設部長
平成25年4月 同  北海道開発局帯広開発建設部長

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