建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年2月号〉

年頭所感

防災・減災に向け緊密な連携強化と基幹産業の農業発展に向け水利施設整備を推進

国土交通省 北海道開発局 旭川開発建設部
部長 丹野 弘

 新年あけましておめでとうございます。平成27年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
 皆様には日頃から旭川開発建設部が実施している開発事業の推進に特段のご支援とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと「平成26年8月豪雨」で日本の広範囲に及んだ豪雨により、広島市の大規模土砂災害が、道内では礼文町で土砂災害が、管内では名寄市、美深町で土砂崩れが発生しました。
 このような中、地域の皆様の防災・減災の意識向上のための取り組みを、緊密な連携の元に支援していく必要性を改めて感じました。
 一方、以前から景観をはじめとした地域資源の保全・改善に取り組んでいるシーニックバイウェイ北海道では、大雪・富良野ルートがルート指定から10年を迎えます。候補ルートである天塩川流域ミュージアムパークウェイ、層雲峡・オホーツクシーニックバイウェイとともに、既存の社会資本ストックを活用した取り組みが、地域の多様な主体によりさらに範囲を広げ連携・協働して行われています。

 さて、当部では、農業、道路、治水の社会資本を整備しております。
 農業事業では、高齢化に伴う離農等により農家戸数が減少している中で、大規模で効率的な農業を展開するために、国営農地再編整備事業「富良野盆地地区」などの事業推進を図るとともに、生産性の向上と耕作放棄地の発生防止のために国営緊急農地再編整備事業「北野地区」の整備を進めるほか、地域の要望に対応するため国営緊急農地再編整備事業「愛別地区」、「大雪東川地区」、「旭東地区」の調査を鋭意進めます。
 また、農業が地域の基幹産業として発展していくためには、基幹的水利施設整備が重要なことから、国営かんがい排水事業「当麻永山用水地区」などにおいて頭首工や用水路などの整備を進めるとともに、農地や農業用施設に対する災害を未然に防止するため国営総合農地防災事業「空知川地区」「とうま地区」及び、施設の機能を保全し長寿命化を図るために国営施設機能保全事業「風連地区」の事業を推進します。
 道路事業では、地域生活や社会経済活動の基盤強化を図るため、北海道の幹線道路網の骨格として北海道縦貫自動車道「士別剣淵〜名寄」の整備を進める一方、道北圏の大動脈である一般国道40号において、「音威子府バイパス」を推進しています。さらに、北海道縦貫自動車道と北海道横断自動車道を接続する旭川十勝道路の一部区間として、市街部の交通混雑、交通事故の低減等を目的に「富良野道路」、「富良野北道路」の整備を推進しています。
 また、管内全路線の除雪を含む維持管理を始め、安全・安心な道路確保のための防災対策、交通事故防止・渋滞緩和のための交通安全対策、橋梁・トンネル等の道路構造物の適切な維持管理のため、メンテナンスサイクルによる点検・修繕等の老朽化対策を実施しています。
 治水事業では、石狩川上流において旭川市街部の河床低下対策に着手するとともに、辺別川の頭首工改築等を実施しています。天塩川上流では美深地区を中心とした河道掘削及び堤防整備等を実施し美深市街部の流下能力の向上を図っています。
 砂防事業では、十勝岳の噴火周期が概ね30年の中、前回噴火から27年が経過し噴火の逼迫性が高まっていることから、堰堤の改築及び除石等の火山噴火対策や土砂災害防止の取組を進めています。
 また、サンルダムについては、今後の堤体打設に向けた仮排水路建設工事やCSGの仮設備工事などに鋭意取り組んでいるところです。
 今後とも、地域の資源や特性を活かし、北海道及び上川地域の発展を図れるよう、地方自治体、民間企業、地域住民、NPOなど多様な機関の皆様と力を合わせて参ります。
 最後になりましたが、皆様のご健勝と益々のご活躍を心から祈念し、新年のご挨拶といたします。


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