建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年2月号〉

年頭所感

地域防災力向上の強化と道南圏の交通網整備で北海道新幹線開業効果を高める

国土交通省 北海道開発局 函館開発建設部 部長 渋谷 元

 新年明けましておめでとうございます。
 平成27年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
 皆様には日頃から函館開発建設部の施策推進に特段のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、急カーブや急勾配がつづく狭小幅員箇所や道路防災対策必要箇所の解消を目指し整備を進めていた、国道277号雲石道路の3.1kmが開通、江良漁港では岸壁と一体化した蓄養施設が完成しました。一方、防災関係では、6月の道道通行止めで福島町に、8月の豪雨では森町と松前町にそれぞれ現地連絡員を派遣するなど地方公共団体の応援・支援を積極的に行っております。函館開発建設部では今年も積極的かつ迅速な現地連絡員派遣や災害対策用機械の貸し付け等を行い、自治体への防災支援に取り組むとともに、引き続き直轄施設の迅速な防災対応を実施し、地域の防災力向上に努めていきます。
 ここで今年度の当部の事業を説明させていただきます。
 日本一の清流、後志利別川では、水災害のない安全・安心で豊かな自然を活かした活力ある魅力的な地域づくりを目指し、洪水対策や地震津波対策を進めます。
 道路関係では、今春、函館新道、函館・江差自動車道と一体となって、道南圏から函館空港までのアクセス時間の短縮を実現するとともに、函館市内の交通混雑の解消、交通事故の低減による道路交通の定時性、安全性の向上を目指し整備を進めていた、函館新外環状道路・空港道路の函館IC〜赤川IC間2．4kmが開通します。今後も北海道縦貫自動車道、函館・江差自動車道、函館新外環状道路など広域交通ネットワークを整備し、広域周遊型観光の促進、豊かな農水産品の物流効率化、高次医療施設が集中する函館へのアクセス向上を図ります。
 港湾関係では、函館港の耐震強化岸壁整備など、管内6港において国内外とのネットワーク機能の強化、地域経済の活性化、安全・安心な暮らしを支える港湾整備を進めます。
 空港関係では、函館空港の老朽化した誘導路、滑走路の改良など、航空ネットワークを保持するための更新・改良を進めます。
 農業関係では、大野平野地区において、老朽化した用水施設の改修を進め、維持管理の軽減等による農業経営の安定を図ります。今金南地区では、区画整理等を行い、生産性の向上や優良農地の確保を行います。
 水産関係では、管内7漁港において安全・安心で新鮮な水産物の供給や活力ある漁村づくりを支える水産基盤整備を進めます。
 函館開発建設部では、引き続き、社会資本の維持・形成に携わる多くの官と民の連携により、効果的な事業推進と低廉で良質な社会資本整備を進めていきます。
 また、平成27年度は北海道新幹線新函館北斗駅の開業が予定されています。当部では、開業効果をより確実に波及させるため、北海道新幹線着工以降、函館・江差自動車道北斗中央IC〜北斗茂辺地IC間をH24までに開通させたほか、道路標識の英語表記改善や冬期運転に関する外国語のパンフレット作成など、インバウンド観光推進に向けたソフト対策にも取り組んできました。
 今後とも地域の皆様のご理解とご協力をいただきながら、安全で安心な暮らしと地域の活性化に向けて、職員一丸となり事業を推進していく所存でおります。
 最後に、皆様の益々のご健勝とご多幸を心からご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。