建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年2月号〉

年頭所感

災害に強い安全・安心な暮らしの確保と地域の健全な発展を支える

国土交通省 北海道開発局 札幌開発建設部
部長 石田 悦一

 新年、明けましておめでとうございます。皆様には健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げますとともに、日頃から当部の事業の推進につきまして特段のご支援とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、8月、9月は全国的に大雨よる被害が発生しました。特に9月11日の道内の記録的な豪雨では、土石流等による国道453号の通行止めや滝野すずらん丘陵公園の施設が被災しましたが、関係機関の皆様の不眠不休の対応により早期復旧や被害の拡大の防止を図ることができました。関係機関の皆様にあらためて感謝を申し上げるとともに、道路や河川等の維持管理や防災・減災対策の重要性、また、災害・緊急時の的確な対応を日頃から意識して行動することが重要であると再認識したところです。
 札幌開発建設部は、北海道の人口が集中し、高次機能が集積されている道央圏の地域を管轄しています。地域づくりはもとより、こうした北海道のエンジンとしての機能を全道でフルに活用できるように国土づくりを意識した社会資本整備・管理を河川、道路、空港、公園、農業の各事業が一体となって推進していきます。
 河川事業では、安全・安心に暮らせる地域の実現を図るため、石狩川下流で河川整備を進めるとともに、地域の防災力の向上を目指し、各種防災訓練などハード・ソフト一体となった防災・減災対策を進めています。また、地域の皆さまのご理解・ご協力をいただきながら、洪水常襲地帯である千歳川流域における遊水地群の整備、札幌圏を含む石狩川中下流部の抜本的な治水対策である北村遊水地の整備を進めています。ダム事業は夕張シューパロダムにおいて今年度の事業完了に向けて、昨年3月4日から試験湛水を開始し、11月13日には無事に最高水位を達成することができました。幾春別川総合開発事業においては、早期の本体工事着工に向けてダム本体工事用道路工事等を進めています。さらに、夕張川幌向地区における自然再生に向けた取り組みを地域の方々と連携して進めていきます。
 道路事業では、我が国の国際競争力や地域経済・産業の強化を図るための基幹ネットワークとして道央圏連絡道路、苗穂交差点や定山渓拡幅等の整備を推進します。また、雄冬防災や橋梁の耐震化等の防災震災対策、事故ゼロプラン、電線共同溝など安全・安心な道路づくりを推進するとともに、道路利用者のニーズを踏まえたメリハリのある維持管理や、道路情報の収集・提供の充実化、地吹雪・雪崩対策の推進やメンテナンスサイクルによる老朽化対策等により、道路交通の信頼性向上を図ります。
 空港事業では、新千歳空港の施設更新として機能を健全な状態に保持するため、老朽化が進むA滑走路改良を実施するほか、耐震強化として大規模地震災害時等にも災害復旧支援、航空ネットワークの維持などの役割を果たすため、重要施設の耐震化を計画的に実施しています。また、機能向上として視界不良時の着陸条件を緩和し遅延や欠航の減少を図るため、B滑走路北側着陸用のILS(計器着陸装置)を設置するための用地造成を実施しています。
 公園事業では、広域的なレクレーション需要に対応するため、当公園の基本テーマ「自然とのふれあい」を踏まえ、安全・安心を確保したうえで、より多くの方々に、より満足していただけるよう、国営滝野すずらん丘陵公園の適切な運営・維持管理を行います。
 農業事業では、北海道が我が国の食料供給基地としての役割を担っていくため、ほ場の排水改良や大区画化・担い手への農地集積による生産性向上を通じた地域の振興を図る国営農地再編整備事業妹背牛地区外3地区で整備を進めるとともに、雨竜暑寒地区に事業着手しました。また、農業水利施設の計画的な更新・整備により、用排水機能を確保するため、国営かんがい排水事業北海地区外6地区で整備を進めるとともに、恵庭北島地区、幌加内地区に事業着手しました。
 当部といたしましては、限られた予算の中、各種事業を効率的かつ効果的に推進するとともに各方面の方々からのご意見を大切にしながら、今後とも災害に強い安全・安心な暮らしの確保と地域の健全な発展を支えていくために一層の努力をしていきたいと考えておりますので、引き続き皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
 結びに、本年が皆様にとりまして素晴らしい年になることをご祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。


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