建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2015年1月号〉

地域の未来に希望を発進!

―― 西九州自動車道の全線開通に向けて

 国土交通省 九州地方整備局
長崎河川国道事務所  所長 木村 康博

図-1 西九州自動車道の概要

 長崎河川国道事務所では、地域に住み関わる人々が地域の未来に希望が持てるように高規格幹線道路及び一般国道 34号、35号、57号、205号、497号の調査計画、改築、維持管理、交通安全施設などの事業を担当しています。
 平成27年度予算の国土交通省関係概算要求については、我が国が直面する課題に取り組むため、「東日本大震災からの復興加速」、「国民の安全・安心の確保」、「地方創生、人口減少の克服」及び「成長戦略の具体化」の4分野に重点化したところであります。
 これを踏まえ、国民の命と暮らしを守る防災・減災対策や基幹的交通インフラ整備の推進による競争力の強化、“国土のグランドデザイン 2050”に基づく個性ある地域やコンパクトな拠点をネットワークでつなぎ、人口減少の克服や地域活性化による豊かな暮らしの実現に向けた対応の一環として、西九州自動車道の整備を推進しているところです。
 西九州自動車道は、福岡県福岡市を起点として、佐賀県唐津市・伊万里市、長崎県松浦市・佐世保市を経由して佐賀県武雄市で九州横断自動車道長崎大分線に接続する延長約150kmの自動車専用道路です。
 そのうち、現在約95km(全体の約6割)は開通済区間であり、西九州自動車道唯一の未事業化区間となっていた松浦佐々道路(約19.1km)が平成26年3月に新規事業化されました。(図‐1)
 また、伊万里松浦道路の山代久原IC〜今福IC間が平成26年度内に開通予定であり、残りの区間についても、順次整備を進めていく予定です。(表‐1)
 西九州自動車道が全線整備されることにより、九州横断自動車道と一体となって循環型ネットワークが構築され、事故や災害等の通行止めの際には代替路として機能し、複数のルートからの救助活動が可能となるなど、緊急時の迅速な避難・救助活動において信頼性の高い高速ネットワークが形成されます。(図‐2)

図-2 循環型ネットワークの構築

図-3 拠点都市間の所要時間
 また、拠点都市間の所要時間が短縮することで、福岡市-松浦市-佐世保市-佐賀市が約3時間で周回(図‐3)でき、福岡市から平戸市まで2時間圏内(図‐4)になるなど、観光振興や物流効率化、企業立地による雇用拡大などの面で大きな効果が期待されます。


図-4 福岡市から拠点都市までの所要時間

 さらに、第三次救急医療施設からの1時間圏域が拡大(図‐5)するなど、安心した生活を確保することで、急速な人口減少の抑制や高齢化社会への対応にも効果が期待されます。
 こうした効果をいち早く実現できるよう、引き続き全線開通に向けた整備を進めて参りますので、今後とも皆様のご支援、ご協力を宜しくお願い致します。

図-5 第三次救急医療施設からの1時間圏域(佐世保市立総合病院)


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