建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年11月号〉

寄稿シリーズ 現場代理人の目

建設現場の最前線から
〜北海道建設部 稚内建設管理部編




 建設現場は現場代理人をトップに、多くの作業員、重機オペレーターらが、専門的知識と技能をフルに発揮する技術者たちの晴れ舞台でもある。だが、現場は常に平坦な場所とは限らず、寒風吹き荒れる野ざらしの現場や、目のくらむ高所や陽光の届かない地下、坑内の場合もあり、危険も伴うために一般者が立ち入ることは出来ない聖域だ。そうした人目から隔離された建設現場の様子を、最前線で陣頭指揮にあたる現場代理人の寄稿を通じて紹介する。

稚内建設管理部


● 利尻富士利尻線交付金 (地方道 )工事 (防災 )(鴛泊工区 )(擁壁工 )(繰越 )
  株式会社中田組 現場代理人  石川 拓郎


● 浜鬼志別漁港水産流通基盤整備工事(繰越)
  ササキ・北英経常建設共同企業体 現場代理人 武田 智康


● 音標漁港水産生産基盤整備工事 (補正・明許 )
  安田・渡辺経常建設共同企業体 現場代理人 若松 勝義


● 宗谷漁港水産物供給基盤機能保全工事 (繰越 )
  藤・菅原 経常建設共同企業体 現場代理人 上田 徳仁


● オチウシナイ川砂防工事
  株式会社富田組 現場代理人 木田 英之


● 頓別川広域河川改修工事 (栄和地区 )2工区外
  田中建設株式会社 現場代理人 高口 裕二


● オチウシナイ川砂防工事 (補正・明許 )
  株式会社共成建設 現場代理人 芦田 敏昭


● クサンル川総合流域防災工事 (補正 )
  石塚建設興業株式会社 現場代理人 美馬 慎二




利尻富士利尻線交付金(地方道)工事 (防災)(鴛泊工区)(擁壁工)(繰越)

株式会社中田組

現場代理人 石川 拓郎

 当工事は、フェリーターミナルの搬入路として重要な幹線道路としての道々(利尻富士利尻線)を整備する一連の工事であり、平成24年より着工しております。
 現在、歩道が無く幅員が狭隘であるため、人と車が競合し安全な通行に支障をきたしている道路を拡幅し、歩道を設置することにより安全かつ、利便性が高い道々の整備を行うのが目的であります。
 今年度の施工内容は、L側L=35.0m R側 L=50.5mの8スパンの擁壁工の施工後、盛土工路盤工の施工を行う予定です。
 フェリーターミナル近隣また利尻島の観光時期と工期が重なる為、工事の安全管理には十分配慮し、早期完成を目指して無事故・無災害で施工を進めていきたいと思っております。




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浜鬼志別漁港水産流通基盤整備工事(繰越)

ササキ・北英経常建設共同企業体

現場代理人 武田 智康

 当工事は、ホタテの水揚げ地で有名な猿払村浜鬼志別漁港の外防波堤を新設する工事です。外防波堤を設置して、外海からの波浪を防ぎ港内波浪の静穏化を図る事により、漁船航行時の安全確保や水揚げ作業の円滑化等が図られる事を目的として行われています。  今年度が最終施工年度で施工延長30mとなっており、陸上作業は石籠・各種コンクリートブロックの製作、海上作業は洗掘防止として外周に石籠据付を行い、基礎部を中割石捨石により施工し、コンクリートブロックの据付を行います。
 地域住民・漁業関係者・その他関係者の方々のご協力のおかげで工事も終盤を迎えています。  これからは冬場にむけて厳しい海象時期になる為、気を抜く事無く、作業を安全に効率良く進めれるよう細心の注意を払い、無事故・無災害での工事完成を目指しています。




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音標漁港水産生産基盤整備工事 (補正・明許)

安田・渡辺経常建設共同企業体

現場代理人 若松 勝義

 当工事は枝幸地区水産基盤整備事業に基づき、音標漁港外郭施設である外防波堤を設置することにより航路及び港内静穏を確保し漁業生産活動の発展に資することを目的としています。
 工事内容として主に水中コンクリート及び上部コンクリートによる防波堤の堤体を設置し波浪による高波を減衰・消散させる為、堤体の外側に消波ブロックを据え付ける作業です。  施工箇所が外港であることから波高が高い為、日々の安全管理を徹底しています。また、工事期間中は漁港関係者の方々とコミュニケーションを図り安全に工事を進めて行きます。




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宗谷漁港 水産物供給基盤機能保全工事(繰越)

藤・菅原 経常建設共同企業体

現場代理人 上田 徳仁

 本工事の対象箇所は宗谷漁港、清浜漁港、珊内漁港で、各漁港は宗谷を代表する水タコ漁、ナマコ漁及びコンブ漁などの沿岸漁業が盛んに行われ、漁船数も多く大変活気あふれる漁港です。  最北の厳しい気象・海象で防波堤・護岸・岸壁の老朽化が激しく、漁港施設の機能保全及び地先漁業者の作業環境の向上を目的として、波浪等で侵食された箇所を大型ブレーカ及びツインヘッダーアタッチメント等を使用して取り壊し、水中・上部・胸壁コンクリート等を打設して補修します。
 工事施工時は漁船の入出港時及び荷揚げ時など漁業活動に細心の注意を計り、漁業組合及び地先漁業者の工事に対する理解・協力を得ながら、コミュニケーションよく施工を進めています。  これから気象・海象状況が非常に厳しくなる時期となりますが、工事関係者一丸となって地先漁業者の期待に応えるよう無事故・無災害での早期竣工を目指します。




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オチウシナイ川砂防工事

株式会社富田組

現場代理人 木田 英之

 工事施工ヶ所のオチウシナイ川は、利尻山(標高1721m)にその源を発し日本海へ注いでおり土石流危険渓流に指定されております。又、土石流想定氾濫区域内の河口付近の海岸線に沿って民家が点在し一度土石流が発生すると海岸線を通る幹線道路及び地先住民に多大な損害を与える恐れがあります。  当該工事は、大雨等により土石流が発生した場合に砂防ダムによりそれをくい止め、下流域に生活している人々の生命・財産等を守る目的で砂防ダムの改良工事を行っております。
 施工内容は、3年計画の1年目で、鋼製スリット設置に向けての前作業で腹付けコンクリートの施工を行っております。それに伴って発生する土砂を利用し、管理用道路造成をしております。  又、施工場所は、標高370mの山間部急傾斜部という非常に厳しい作業環境にありますが工事関係者一致団結し、無事故・無災害で工事完成を目指してまいります。




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頓別川広域河川改修工事 (栄和地区 )2工区外

田中建設株式会社

現場代理人 高口 裕二

 当工事箇所は浜頓別町の河口より16km程上流部に位置し、高水敷の拡幅切下げを目的とした高水敷部の掘削と築堤盛土及び防災施設敷地造成の土工が主体の工事です。  工事区域には天然記念物のオジロワシ、オオワシの飛来が確認されており、工事中の騒音や照明で驚かさないように注意し、観察員を配置し飛来や異常行動等を記録しております。
 また、サケの捕獲遡上区域となっており、河川への汚濁水の流入にも配慮して防護シート等を配し工事を進めています。  掘削残土処理では、交通量の多い国道を出入りし搬出することから、交通整理員を配置するなど、無事故・無災害で完了するよう努めています。




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オチウシナイ川砂防工事 (補正・明許 )

株式会社共成建設

現場代理人 芦田 敏昭

 オチウシナイ川は、利尻山(標高1721m)の山頂付近の大規模崩壊地にその源を発し直接日本海に注いでおり、土石流危険渓流に指定されています。  施工は、オチウシナイ川砂防施設の最上流部(標高400m)に昭和51年完成した既設のえん堤の下流面を腹付けコンクリート(厚さ75p)を行い水通し部にラバースチールを設置し改良する工事です。
 現在は、8月24日に降った50年に1度という大雨で、上流域からの土砂流入により、掘削完了面が埋塞した状態となり工事が一時中止となってしまいましたが、中止解除後は、冬期安全対策を十分行い無事故・無災害で地域の発展に貢献できるよう工事完成を目指します。




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クサンル川総合流域防災工事 (補正 )

石塚建設興業株式会社

現場代理人 美馬 慎二

 私は、クサンル川総合流域防災工事(補正)の現場代理人を担当しています。  このクサンル川は平成19年度に2級河川に指定された河川で、上流域には山林が繁茂し、中流域から下流域にかけて住宅が密集しており、下流域には水産加工場、公共・商業施設などが立地しています。
 この河川は現況河道幅が狭く、春先の融雪水や降雨による水害が発生しており、市民生活や都市機能に影響を及ぼしています。  本工事は、稚内市末広の天北埠頭2号橋から副港2号橋までの170mの区間内で河道拡幅等の護岸工事を実施しています。  当工事区間は市街地にあり近隣には住宅、病院、水産加工場などが隣接しているため矢板護岸工、コンクリート構造物取壊し工事など従来使用していたバイブロハンマー、コンクリートブレーカーなど騒音・振動の低減が難しい機械からオーガ先行削孔の併用による油圧式圧入工法(硬質地盤クリア工法)を採用、既設コンクリート取壊し作業にはコンクリート圧砕機を使用して作業を行い、これらの作業時には騒音・振動調査を実施して騒音・振動対策に努めています。




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