建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年11月号〉

山陰地方の暮らし・経済を支える山陰道

 国土交通省 中国地方整備局
 松江国道事務所 所長
 新田 恭士

島根県内における山陰道の整備状況(H26.4月現在)

1.はじめに

 松江国道事務所は、山陰を東西に結ぶ国道9号のうち、島根県安来市から大田市までの約145q、陰陽を結ぶ国道54号のうち、島根県飯南町から松江市までの約65qを管理しています。道路の改築事業をはじめ、維持・修繕・除雪・交通安全・地域の活性化に向けた取り組みなど多様な事業を行っています。
 東西に約230kmと細長い島根県においては、東西を結ぶ幹線道路が国道9号だけであり、ひとたび災害や事故が発生すれば、大きな迂回を強いられ、貨物輸送の99パーセント以上を自動車に依存する地域の社会経済活動に大きな支障をきたしています。このため高速道路ネットワーク整備に対する地域のニーズは非常に高く、山陰道の早期完成を目指し重点的に整備を進めているところであり、現在、出雲市から大田市までの7つの路線について事業を展開しています。

2.山陰道の事業概要

平成26年3月15日に開通した仁摩・温泉津道路
(石見福光ICから出雲方面を望む)
@一般国道9号 出雲・湖陵道路
 並行する国道9号の渋滞解消や交通事故や災害時の代替路の確保を目的とした延長4.4qの自動車専用道路であり、平成20年度に事業着手し、用地取得、埋蔵文化財調査、改良・橋梁下部工事を推進しています。
A一般国道9号 湖陵・多伎道
 緊急輸送道路の確保及び第三次医療施設への速達性の向上等を目的とした延長4.5qの自動車専用道路であり、平成24年度に事業着手しています。今年度から用地買収に着手するとともに、環境・地質調査、道路詳細設計を推進しています。
B一般国道9号 多伎・朝山道路
 並行する国道9号での交通事故や災害時の代替路の確保等を目的とした延長9.0qの自動車専用道路であり、平成18年度に事業着手しています。平成30年度※の開通を目指し、現在改良・橋梁・トンネル工事を全面的に推進しています。
C一般国道9号 朝山・大田道路
 並行する国道9号での交通事故や災害時の代替路の確保等を目的とした延長6.3qの自動車専用道路であり、平成19年度に事業着手しています。平成30年度※の開通を目指し、現在埋蔵文化財調査、橋梁・改良工事を推進しています。
D一般国道9号 大田・静間道路
 緊急輸送道路の確保及び第3次医療施設への速達性の向上等を目的とした延長5.0qの自動車専用道路であり、平成24年度に事業着手しています。今年度から用地買収に着手するとともに、環境・地質調査、道路詳細設計を推進しています。
E一般国道9号 静間・仁摩道路
 並行する国道9号での交通事故や災害時の代替路の確保等を目的とした延長7.9qの自動車専用道路であり、平成20年度に事業着手し、埋蔵文化財調査、環境調査、改良工事を推進しています。
F一般国道9号 仁摩・温泉津道路
 並行する国道9号での交通事故や災害時の代替路の確保等を目的とした延長11.8qの自動車専用道路であり、平成16年度に事業着手しています。平成26年3月に湯里IC〜石見福光IC間5.9qが開通し、残る仁摩・石見銀山IC〜湯里IC間5.9qについて、今年度内の開通を目指し、現在トンネル・橋梁・改良・舗装などの工事を全区間で推進しています。

平成26年3月15日に開通した仁摩・温泉津道路(湯里IC)

3.おわりに

 松江国道事務所では、広域的な経済活動や地域間交流・連携の拡大に向けた役割が大きく期待されている高速道路ネットワークの早期整備に努めるとともに、計画的な道路の維持管理に努め、今後も地域の方々が安全・安心して生活できる地域づくり、道づくりに取り組んでいきます。

※用地取得及び猛禽類保全対策が速やかに完了することを前提


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