建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年10月号〉

【ZOOM UP】

副都心・新札幌の利便性と居住空間を活かした下野幌団地高層化事業も大詰めに

―― 平成27年度のH棟建替工事完了で全34棟・2195戸の高層化公住団地群に生まれ変わる

公営住宅(下野幌団地建替 H-3号棟)新築工事

下野幌団地3号棟(外観イメージ)

建設経緯

 札幌市が建設を進めている、下野幌団地は高度成長期の昭和40年〜47年に建設され、全体敷地面積約22.4ha、9ブロック、103棟、管理戸数3,273戸となっている。JR新札幌駅や地下鉄駅に近く利便性は高いが、大部分の住戸が狭小、浴室未設置であり、また高齢化が進んでいる割にエレベイターが無いなど、居住水準が低いことから平成8年3月に策定した「公共賃貸住宅総合再生事業 札幌市マスタープラン」の中で早期に建替を推進すべき団地と位置づけられた。平成10年3月に「下野幌団地建替基本構想・基本計画」を策定し全面的に建て替えすることになった。
 建て替え事業は、平成12年度〜平成27年にかけて順次実施され、高層化により34棟、総戸数2,195戸の団地に生まれ変わる。

施設計画

(1)住棟配置
 高層建築物となるため、敷地の南東側の低層住宅地への影響を考慮し、壁面の圧迫感の少ない住棟妻側部分が面するように配慮し、極力南郷通より離れた位置とし、圧迫感の軽減を図るとともに、プレイロット等のオープンスペースを配置し潤いのある空間となるよう配置した。

(2)身障者・バリアフリー対策
 敷地内通路及び住棟内共用部分に誘導ブロックを設置 1)各住戸玄関ホールに折りたたみ式いすを設置 2)共用部全てと住戸内各所に手すりを設置 3)共用部、各住戸玄関部の床は滑りにくい仕上げとする

(3)外断熱工法の採用し、環境負荷低減や建物の耐久性の向上を図る。
 外断熱仕様として1)妻面:乾式外断熱工法 2)バルコニー面:湿式外断熱工法 3)屋上:外断熱露出工法一とする。

(4)給水施設・エレベーター設備
 1)直結加圧給水方式を採用、給水ポンプ室を設置 2)機械室レスエレベーター(9人用)を採用する。

(5)暖房給湯方式は温水熱交換方式とした。


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