建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年7月号〉

現場代理人の目「建設現場の最前線から」
北海道建設部 函館建設管理部

道道江差木古内線新吉堀トンネル工事

 鹿島・松本・相互特定建設工事共同企業体
 新吉堀トンネル JV工事事務所 所長
 佐藤 直樹




坑外の状況

 私たち鹿島・松本・相互特定建設工事共同企業体は、北海道渡島総合振興局函館建設管理部発注の「道道江差木古内線新吉堀トンネル工事」の施工を行っております。
 道道江差木古内線は、江差町と木古内町を結ぶ約49kmの主要道道で、医療・物流・観光・日常生活を支える重要路線であるとともに緊急輸送道路に指定されています。
 また、平成26年5月11日に廃線となりましたJR江差線に変わり代替えバスの運行が始まり、更に平成27年度に控える北海道新幹線の開業や平成31年度完成予定の函館江差自動車道木古内ICの開通により交通量の増加が見込まれています。

坑内の状況

 しかしながら、現道道江差木古内線は、法面からの落石・落雪などの災害要因の恐れとなる箇所が存在するほか、上ノ国町と木古内町の町境にある峠部の現吉堀トンネルは、老朽化に加え、幅員が狭く、トンネル前後に急カーブや急勾配が続くため、大型車両のすれ違いが困難なことから、トンネル建設や道路拡幅で改善を図ることが急務となっています。
 新吉堀トンネルはその中心的工事として位置付けられており、完成後には現吉堀トンネル及び前後の急カーブや急勾配を回避して通行することが可能となります。
 本トンネルは、トンネル延長1,506m、道路幅員7.0m、NATM工法で計画され機械掘削により施工しています。年明けより掘削を開始、4月末現在で約400mの掘削を完了し、5月の大型連休明けよりインバート工も開始しています。
 現場を進めるにあたり、特に環境及び安全に配慮した施工を行っております。環境面での配慮として、トンネル坑内における伸縮風管付集塵機による粉塵低減対策、坑外では周辺環境への光害を最小限に抑制する照明の採用、仮設備の防音対策等を実施しています。

 安全面での配慮として、トンネル坑内の重機に設置した後方監視モニターにより重機の死角を低減し、また、道道を走行する掘削土砂運搬ダンプトラックには工事用車両安全支援システムを採用し、安全を重視した運行管理等を行っています。
 さらに、地域振興活動としては、町内会や地元イベントへの協力や参加、現場見学会等を通じた地域の皆様との交流及び、地産地消活動の推進等により、工事に対しての御理解をいただきながら工事を進めています。
 地域の皆様より、早期完成を望まれている工事ですので、期待に応えるべく共同企業体の総力を結集して無事故無災害で品質の高いトンネルを構築すべく、努力して参ります。

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