建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年7月号〉

 副局長インタビュー 十勝総合振興局

「食の拠点・観光ネットワーク・環境フロンティア」の
地域重点プロジェクト事業推進に全力

 北海道 十勝総合振興局 副局長(建設管理部担当)
平野 陽彦
 ひらの・はるひこ
 昭和34年3月25日生まれ 福岡県出身
 大阪工業大学 卒業、北海道大学大学院 修了
 昭和60年4月 北海道採用
 平成9年4月 旭川土木現業所道路建設課都市整備係長
 平成12年4月 建設部道路計画課高速道室主査(高速道)
 平成15年6月 建設部都市環境課都市整備グループ主査(街路計画)
 平成17年4月 国土交通省 北海道開発局 開発監理部 開発調整課 開発専門官
 平成19年4月 建設部まちづくり局都市環境課主幹
 平成21年4月 函館土木現業所事業部長
 平成22年4月 総合政策部計画推進局参事
 平成24年4月 建設部土木局道路課高速道・市町村道担当課長
 平成26年4月 十勝総合振興局副局長(建設管理部担当)

―― 副局長ご就任にあたっての抱負をお聞かせください
平野 帯広建設管理部管内では、これまでも、豪雨や地震などによる大きな災害を幾度も経験しており、地域住民の生命や財産を守り、安全で安心して暮らすことができるよう施設の整備を進めることが極めて重要であると考えております。
 また、道東道の夕張・占冠間の開通及び帯広・広尾自動車道の延伸による観光や物流の面での活性化は、十勝地域はもとより、道東地域全体にもその効果は及び始めております。
このため、まずは「災害に強い地域づくり」に向けて、全力で取り組むことはもとより、さらなる「十勝の成長力・競争力の強化」に向けて、道東道と帯広広尾自動車道へのアクセス向上のための道路整備や幹線交通ネットワークの形成、良好な河川環境の保全の推進など、道路網や河川等の整備を促進します。
 また、橋梁や樋門などの計画的な修繕などによる長寿命化の推進を図り、適切な維持管理に努めてまいります。
事業の推進にあたっては、地域のニーズをしっかりとらえ、安心して住み続けられる地域の実現を図るため、職員一丸となって効果的・効率的な事業の執行に努めてまいります。
道路事業―川西芽室音更線(中島橋)(帯広市)
街路事業―3・1・46弥生新道(春駒工区)(帯広市)
―― 安全で安心な地域づくりや防災強化に向けた取り組みをお聞かせください
平野 帯広建設管理部管内では、道管理の道路・河川の整備率は、全道の中では高い状況にありますが、ゲリラ豪雨や地震・津波に対応し、地域住民が安全で安心して暮らすことができる「災害に強い地域づくり」が強く求められています。
 このため、引き続き、河川・砂防などの災害防止施設の整備はもちろん沿岸部では津波に対する避難にも配慮した災害に強い道路整備に取り組むとともに、災害や危機管理に迅速かつ的確に対応できる人材の育成に努めてまいります。
河川事業―利別川中流地区(足寄町)
―― 平成26年度予算執行にあたり北海道基幹産業の農業・水産業や観光・環境など「北海道価値」を高める整備事業の取り組みをお伺いします
平野 十勝地域は、雄大な日高山脈や大雪山系などの山岳景観と広大な十勝平野という豊かな自然環境に恵まれ、多くの観光地が存在するとともに、我が国最大の食料供給基地としての存在感を発揮している多様な魅力と活力に満ちた地域であります。
 また、道東道の夕張・占冠間の開通後、その利用者は大きく伸びており、十勝地域はもとより、道東地域全体の活性化にもその効果は及び始めています。
 このような地域の特性を踏まえ、十勝総合振興局では「十勝連携地域の政策展開方針」を策定し、その実現に向けた戦略的な取組として「食の拠点」、「観光ネットワーク」、「環境フロンティア」の3つを地域重点プロジェクトとして掲げています。
 このため建設管理部としては、この地域重点プロジェクトの推進に向けて、インターチェンジや物流・観光拠点へのアクセス道路の整備や環境に配慮した河川・砂防などの整備を重点的に進めていきます。
漁港事業―厚内漁港突堤工(浦幌町)
―― 地域活性化に向けた社会資本整備事業に貢献し、災害時の復旧対策などを担う建設業界への要望・期待などお聞かせ下さい
平野 建設業界は、社会資本整備を通じて地域の安全・安心を担い、雇用と経済を支える地域に密着した産業であるとともに、災害時においては、長年培われた経験と高い技術力や保有機材を活用して応急対応活動にあたるなど、地域社会に大きく貢献しています。
 このような中、十勝総合振興局では、昨年度、北海道と一般社団法人北海道建設業協会が「災害時における応急対策業務に関する協定」を締結したのを受け、一般社団法人帯広建設業協会と「災害時における応急対策業務に関する細目協定」を締結しました。これにより、建設業界が協力する業務は、土木施設に加えて北海道が所管するその他の施設の応急対策、そして、人命救助や行方不明の捜索等への支援等、さらには市町村からの要請に基づく応急対策も含まれることとなり、建設業界が災害時に担う地域における役割はますます強まったところです。
 建設業界におきましては、地域の社会資本整備を通じて、地域経済の活性化につなげていくとともに、「災害に強い地域づくり」に向けて、たゆまぬ技術力の研鑽と人材育成に努められ、地域に密着し、地域から信頼され、活躍されていくことを期待しています。
砂防事業―シモアイカップ川(足寄町)

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