建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年7月号〉

 副局長インタビュー 上川総合振興局

幹線ネットワークの整備で高規格道路との一体化を推進し圏域交流と地域活性化を図る

 北海道 上川総合振興局 副局長(建設管理部担当)
久野 顕
 ひさの・あきら
 昭和34年12月19日生まれ 北広島市出身
 昭和57年 3月 北海道大学工学部土木工学科 卒業
 昭和57年 4月 札幌土木現業所 滝川出張所、長沼出張所、当別ダム調査事務所・建設事務所
 平成5年 4月 土木部 河川課 計画係
 平成10年 4月 旭川土木現業所 治水課 河川技術係長
 平成13年 4月 札幌土木現業所 治水課 河川整備係長
 平成15年 6月 保健福祉部 地域福祉課 主査
 平成17年 4月 建設部 土木局 河川課 主幹
 平成20年 4月 釧路土木現業所 事業部長
 平成22年 4月 建設部 土木局 河川課長
 平成25年 4月 現職

―― 本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせください
久野 旭川建設管理部における、平成26年度事業予算総額は133億4百万円(平成25年度の補正を含む)となりました。このうち、公共事業については道路・街路・公園事業の合計で59億8千8百万円、治水事業は48億1千2百万円、また、単独事業については、道路・河川・砂防事業合わせ25億4百万円となっています。
 当部が所管する上川管内は、北海道のほぼ中央に位置し、地形は南北に細長く南北の延長は224.4kmに達しています。産業としては道内有数の農業地帯として米や野菜など豊富な農作物が生産されています。観光の面では大雪山国立公園をはじめ、3つの道立自然公園を有し、山岳や湖沼、温泉などの自然や観光資源に恵まれ、道内外の皆様に親しまれています。
 事業推進にあたっては、こうした地域特性を活かし、安全・安心で活力ある地域社会の実現に向けて、地域の意向や実情をふまえ社会資本整備を推進して参ります。
富良野川改修工事コルコニウシベツ川地区(補正)(明許)
―― 安全で安心な地域づくりや防災強化に向けた取り組みをお聞かせください
久野 近年、集中豪雨や台風、暴風雪など自然災害が多発しており、安全・安心が確保された地域社会の形成が重要と考えています。
 災害に強く安全性の高い道路整備では、耐震対策で三和剣淵腺(飛竜橋)などの整備を推進します。冬期における安全で快適な道路確保では、吹雪対策箇所の整備で下川風連線(防雪柵)の整備を推進します。
 交通事故対策の推進では、自歩道の整備で東川東神楽旭川線、踏切の構造改良で問寒別佐久停車場線、北旭川停車場永山線などの事業を推進します。
 また、適切な維持管理による交通機能の確保では、橋梁関係で旭川環状線(ツインハープ橋)、山部北の峰線(ふらの五条大橋)などの補修工事を行ないます。
 洪水などから地域住民の生命や財産を守る治水対策の推進では、地域の浸水被害を軽減し安全性を高めるため、牛朱別川(旭川市外)、ポン川(旭川市・東神楽町)、比布川(比布町)、富良野川(富良野市外)、剣淵川(剣淵町外)、豊栄川(名寄市)などで事業を進めます。
 十勝岳周辺地区における火山砂防事業と緊急時防災体制の整備については、富良野川の5号砂防えん堤工、ヌッカクシ富良野川で砂防事業を推進するとともに、十勝岳火山噴火警戒避難対策事業で監視機器の整備を行ないます。
 土石流などへの対策では、渓流の保全を図り下流域を土石流から守るため辺別川(美瑛町)、新田中の沢川(中富良野町)、四線川(富良野市)、八幡左の沢川(名寄市)などで整備を推進します。また、旭川旭神3条1丁目においては急斜面地崩壊対策事業を進めます。
 旭川建設管理部では、異常気象時等の非常配備体制など防災対策の見直しを進めているところです。今後も危機管理について職員一同が常に意識を高く持つよう、訓練や研修に取り組んで参ります。
辺別川火山砂防工事1工区
―― 平成26年度予算執行にあたり北海道基幹産業の農業・水産業の向上や観光・環境など「北海道価値」を高める整備事業の取り組みをお伺いします
久野 上川地域の「価値」を活かした地域発展ためには、基盤となる幹線ネットワークの形成が重要と考えています。
 観光、農林水産業の活性化や圏域間交流の促進のため高規格幹線道路と一体化となった幹線ネットワークの整備として、地域高規格道路「旭川十勝道路」の一部で旭川北ICと旭川空港を連絡する幹線道路であり、昨年新規事業採択となった旭川東神楽道路(鷹栖東神楽線)のほか「富良野北道路」中富良野ICと国道237号のアクセスルートとなる、上富良野中富良野線などの整備を進めます。
 また、都市と農村の交流・共生を促進するネットワークとしては、旭川幌加内線、瑞穂旭川停車場線、東山富良野停車場線などの整備を推進します。
 観光拠点へのアクセス道路の整備で、広域観光リートとして愛別当麻旭川線などの整備を推進します。
 さらに、地域の中核都市の再生を図るため、環状・放射道路の整備や渋滞対策として3・3・7金星橋通などの整備を進めるほか、中心市街地の活性化などのまちづくり支援では和寒幌加内線、上富良野停車場線の整備を推進します。
新田中沢川通常砂防工事
―― 地域活性化に向けた社会資本整備事業に貢献し、災害時の復旧対策を担う建設業界への要望・期待などお聞かせください
久野 建設業は、社会資本整備において重要な役割を担うとともに、普段から施設の維持管理や冬期の除雪にご尽力をいただき、災害発生時にはその総合力を通じて復旧作業等に大きな力を発揮されております。
 また、地域経済や雇用を支える上で大きな役割を果たしています。今後とも、優れた人材確保・育成や技術の向上をはじめとして、経営の合理化や多角化などによる経営基盤の強化を図り、質の高い社会資本整備と地域の発展や活性化に貢献されることを期待しています。
東山富良野停車場線
下川風連線(防雪柵)

HOME