建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年6月号〉

有明海沿岸道路の整備で三池港の貨物量が劇的に変化

―― 6年間で約25倍に増加

 国土交通省 九州地方整備局 福岡国道事務所 所長
水野 宏治




沖端高架橋下部工 施工状況
 福岡国道事務所は、福岡県の中西部及び南部地域の国道を管轄しています。担当する路線は一般国道3号、201号、202号、208号、209号、210号の6路線(管理延長303.3km)で、道路の改築や橋梁の架替えをはじめ、交差点改良、歩道・自転車道の整備、バリアフリー化等の交通環境の改善や道路施設の点検、維持・補修、防災対策等を行っています。
 管内の中心都市である福岡市の平均交通量は2万1,900台/12hで、全国平均の約2.7倍と高く、また、ピーク時の旅行速度は20.4km/hと全国平均の約6割にとどまっているため、混雑は著しいものとなっています。
 DID地区内の混雑状況においても、一般国道(指定区間)の福岡市内においては1.26、福岡県内においては1.31と混雑が著しい状況です。
 これに基づき、各路線の整備・改良を進めていますが、現在、特に重点的に整備が進んでいるのが、国道208号「有明海沿岸道路」です。この道路は、三池港、佐賀空港などの広域交通拠点や、大牟田市、みやま市、柳川市、大川市、佐賀市、鹿島市など有明海沿岸の都市群を連携することにより、地域間の連携、交流促進を図るとともに、国道208号など周辺道路の混雑緩和と交通安全の確保を目的に計画された、延長約55kmの地域高規格道路です。
 福岡国道事務所では、有明海沿岸道路(大牟田〜大川)(延長27.5km)、大川佐賀道路(延長約9km)の一部の2事業を推進しています。現在までに三池港IC〜徳益IC間延長16.9km(自動車専用道路)及び徳益IC〜大川中央IC延長8.8km間(柳川西IC〜大川東IC間延長2.4kmは自動車専用道路)(徳益IC〜柳川西IC間、大川東IC〜大川中央IC間延長6.4kmは一般道路)が開通しています。

柳川東IC 付近施行状況(一般部上下線分離化)
徳益高架橋下部工 施工状況

 これまでの開通で特に目覚ましいのは、三池港の国際コンテナ貨物量の変化で、平成18年4月の韓国釜山との国際コンテナ定期航路の就航時は736TEUでしたが、平成20年3月の大牟田IC〜大川東IC間の開通後は3,320TEUへ増加、その後の順次延伸され、平成24年1月に三池港と接続する三池港IC〜大牟田ICが開通した後は、18,441TEUへと6年間で約25倍と飛躍的に増加しています。  有明海沿岸道路の整備は、三池港整備との連携により、三池港は国際物流拠点としての魅力が増し、今後の貨物量の増加が期待されるなど、地域の活性化、物流の効率化に貢献しています。
 平成26年度は、三橋IC〜柳川東IC間の一般道路について、一部対面通行箇所の上下線分離化完成を目指し、舗装工事を推進します。
 徳益IC〜柳川西IC間の自動車専用道路部については、平成29年度の開通に向け、橋梁・改良工事を推進します。
 大川東IC〜大川中央IC間については、橋梁・改良工事を推進します。
 大川中央IC以西については、筑後川橋梁工事に着手するとともに、用地幅杭設置、用地調査、用地買収を進めます。
 この整備によって、大牟田市、柳川市、みやま市、大川市、佐賀市等地域間の連携強化、交流促進、国道208号等周辺道路の渋滞緩和、安全性の向上が期待されます。

大川高架橋下部工 施工状況


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