建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年6月号〉

【ZOOM UP】

芸術文化の創造と地域住民の賑わいの拠点づくりに着工

── 市民の要望に応え充実した機能を備えた市民ホールが誕生

名寄市 (仮称)名寄市民ホール整備事業

外観完成イメージ

 名寄市の市民会館大ホールは昭和37年に市民の公民館活動・文化活動・市民交流の拠点として整備されたが、施設や設備の老朽化に加え、耐震改修が未了であることから安全面で危惧されていた。市民会館大ホールの代替施設となる新しいホールは、多くの市民からその建設が望まれており、文化協会や市民からの陳情や寄付など、長年にわたり市民の強い要望があった公共施設である。
 この市民の要望をかなえるため、名寄市では(仮称)市民ホールの建設を決め、平成22年3月に策定した中心市街地の活性化を目的とした「なよろ地区都市再生整備計画」に基づき、芸術文化の創造と地域住民の賑わいの拠点づくりに着手した。
 (仮称)市民ホールは、隣接する生涯学習拠点である既存施設「名寄市文化センター」と一体的な利用が可能な施設として計画し、文化活動の拠点となるよう施設整備を進めている。
 施設は、広大な都市公園に隣接することから「公園の中のホール」として計画、建物南側の前庭と空間の連絡性を保つガラススクリーンや木立をイメージした外壁など、公園との景観の調和を図っている。
 空間構成は、客席数647席のワンスロープ型の大ホールを中央に配置し、その周辺に音楽リハーサルやバレエなど多目的利用が可能な音楽スタジオ、小さな子供や年配の方など世代を超えた交流を促す多世代交流スペース、外部と連続性のある開放的なホワイエや芸術鑑賞型のホワイエギャラリーなどを有する。また、地域FM放送も発信できるラジオスタジオを併設し、市民のイベント発信や施設の舞台情報、ライブ放送など、大ホールでの鑑賞、発表に加え、地域に芸術文化を発信することが可能な計画としている。
 また、隣接する既存の名寄市民文化センターとは渡り廊下で接続させ、既存の多目的ホールや和室等諸室機能など、相互施設の利用促進と大規模なイベント時の一体的な活用が出来るよう配慮し生涯学習施設と新たな芸術文化施設との融合化を目指している。
 駐車場は、建物の西側に、市内循環バスの乗入れも配慮したスペースを確保しており、全ての工事を平成27年3月に完成、同年5月の開設に向け事業を進めている。


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