建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年6月号〉

【ZOOM UP】

圏央道の整備で川島インター産業団地の企業立地が促進

── 血液製剤の迅速な配布が可能に

国土交通省 関東地方整備局 大宮国道事務所

道央道全体計画

 圏央道は総延長約300kmの高規格幹線道路で、これまでに約170kmが開通しており、残る区間についても順次事業を進めている。平成26年6月には、神奈川県内の相模原愛川ICから高尾山IC間の約15kmが開通を予定しており、すでに開通している桶川北本ICから東名高速間が結ばれ、さらなる利便性の向上が期待されている。
 私たち大宮国道事務所の所管する埼玉県内においては、新たな東西の交通軸を形成するとともに、関越自動車道や東北自動車道等の主要幹線道路を結ぶ。それによって県内と近隣の中枢地域との相互交流を深め、地域社会の活性化に貢献する。また、県内各地域において調和のとれた発展を促進する。
 現在は県内の計画延長58.4kmのうち、都県境(入間市)〜桶川北本IC間の33.2kmと、白岡菖蒲IC〜久喜白岡JCT間の3.3kmが供用済みであり、県内の整備率は62.5%となっている。
 未開通区間は、桶川北本IC〜白岡菖蒲IC間の10.8kmと久喜白岡JCT(東北自動車道と交差部)〜幸手IC先の埼玉・茨城県境間11.1kmの2区間となっているが、すでに用地買収は約99%となり、開通に向けて工事を全面展開している。
 青梅ICから鶴ヶ島JCTまでの区間は、入間市、狭山市、日高市、川越市、鶴ヶ島市の5市を通り、関越自動車道や国道16号と接続している。本線を4車線の高規格道路とし、連絡施設として入間IC、狭山日高IC、圏央鶴ヶ島IC、鶴ヶ島JCTを設けている。
 また、入間IC〜狭山日高IC間に圏央道で初のパーキングエリア(PA)「狭山PA」が、平成20年7月18日にオープンしている。

圏央道埼玉県区間の概要



圏央道埼玉県区間の進捗状況



 鶴ヶ島JCTから川島ICまでの区間は、鶴ヶ島市、川越市、坂戸市、川島町の3市1町にまたがっており、都計道坂戸東川越線、国道254号などの幹線道路と接続する。本線は4車線の高規格道路とし、連絡施設として坂戸IC、川島ICを設けており、平成20年3月29日に供用を開始した。
 川島ICから桶川北本ICは、川島町、桶川市の1市1町を通り、桶川北本ICで上尾道路と接続します。区間の延長は5.7kmで、平成22年3月28日に開通した。
 桶川北本ICから白岡菖蒲ICまでの区間は、桶川市、北本市、久喜市、白岡市の4市にまたがる。桶川北本ICから、JR高崎線・国道17号の下を通過し、上越新幹線の上を越えて白岡菖蒲ICに接続する。インターチェンジは上尾道路、県道川越栗橋線、国道122号と接続します。この区間は平成24年5月30日に事業認定が官報に告示された。
 この区間については、引続き道路設計、環境調査、埋蔵文化財調査、用地買収、橋梁工事及び改良工事を推進する。
 この整備によって県内が全線開通した場合、計画的な産業基盤づくりによる経済波及効果として、初期投資により約1,200億円、工場の操業により年間約6,000億円が見込まれる。

期待される効果

■首都圏の道路交通の円滑化


■沿線都市間の連絡強化と地域づくりの支援・活性化 ■災害時の緊急輸送路の確保

 また、平成20年3月の川島IC開通により、1年後には川島インター産業団地の全区画47haに18社の企業進出が決定した。さらあに桶川北本ICが開通すれば、開発中の産業団地への企業誘致にも期待がされる。
 このほか、圏央道に隣接する埼玉県赤十字血液センター(日高市)では、輸血のための血液製剤を製造しており、県内の病院へ供給しているが、圏央道の整備により圏央道沿線地域の病院への血液製剤輸送時間が短縮し、緊急時の供給体制が向上する。桶川北本ICに近い病院では、緊急時においてはこれまでの伊奈出張所からの輸送に加え、新たに埼玉県赤十字血液センター(日高市)からの輸送も追加されることになり、県民医療の向上に貢献できる。


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