建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年6月号〉

【ZOOM UP】

圏央道整備で進む企業立地

── 南北ルート不足の弱点を補強

国土交通省 関東地方整備局 横浜国道事務所

圏央道の整備効果

 圏央道は、横浜、厚木、八王子、川越、つくば、成田、木更津などの業務核都市をはじめとする中核都市を連絡することにより、都心に集中する業務機能を適切に分散させ、地域開発を促進するなど、首都圏発展に対しても重要な役割を果たしている。
 また、首都圏の環状道路整備の一環として、政府の都市再生プランに位置つけられており、神奈川県内では高速横浜環状南線、横浜湘南道路、さがみ縦貫道路の3路線で圏央道が構成されている。
 高速横浜環状南線は、横浜環状道路の一部で、横浜横須賀道路から一般国道1号を結ぶ自動車専用道路だが、栄IC・JCT(仮称)で横浜湘南道路と分岐する。横浜の都心部から半径約 10〜15kmに位置し、横浜市郊外各区の相互連絡を容易にし、市の一体化を図るとともに、横浜中心市街地の交通混雑の緩和を図ることなどを目的に計画された、重要な自動車専用道路である。
 道路構造は、全線の7割近くが地下または掘割構造で、平成12年4月に有料道路事業として許可され、東日本高速道路株式会社(旧日本道路公団)とともに事業を担当している。
 横浜湘南道路は、「高速横浜環状南線」「さがみ縦貫道路」や供用中の「新湘南バイパス」と一体となって首都圏中央連絡自動車道の一部を形成し、広域的な交通の円滑化を図るとともに、地域交通の交通分担を適正化し、国道1号等の交通混雑を緩和する延長約7.5kmの自動車専用道路です。
 神奈川県南部を東西に走る主要幹線道路である国道1号は、近年の都市活動の発展に伴い、交通量が増加し、慢性的な交通渋滞が発生していた。

 高速横浜環状南線の栄IC・JCT(仮称)を起点とし、途中で一般国道1号の地下を通り、新湘南バイパスに接続する道路で、その7割強がトンネル構造となっている。
 さがみ縦貫道路は、新湘南バイパスから分岐し、東名、新東名高速道路、厚木秦野道路等に接続する自動車専用道路である。主に高架構造で、相模川とその沿川地域の良好な自然環境等と調和を図る計画となっている。
 神奈川県内の道路は、県央部を南北に走る幹線道路等が不足しているため、特に主要幹線道路の国道129号、246号の渋滞は著しく、県道から生活道路に至るまで交通混雑が見られ、日常生活や地域の活性化に支障を及ぼしている。
 さがみ縦貫道路道路は、県央部の体系的な道路ネットワークを構築し、道路交通の円滑化を図ることを目的として計画された。当事務所では、このうち茅ヶ崎JCTから相模原愛川ICまでの21.4kmを担当している。
 このように、圏央道の整備により、地域の活性化や神奈川県の競争力のある産業の創出・育成の支援が期待される。すでに神奈川県では、神奈川県産業集積促進方策(インベスト神奈川)により、企業立地を支援しており、同方策の活用企業の約4割が圏央道のインターチェンジから5km圏に立地するなど、波及効果が現れ始めている。

高速横浜環状南線 【2015年度開通予定 ※ 】
※開通年度については検討が必要


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