建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年5月号〉

神戸港ポートアイランド(第 2期)地区航路・泊地 (-16m)等浚渫工事

 若築・あおみ・吉田特定建設工事共同企業体
若築建設株式会社
丹羽 博之





全体平面図

1.はじめに

 神戸港ポートアイランド(第2期)地区における-16m浚渫工事は平成20年度から開始され、今回で7年目となります。当該浚渫工事場所はPC-18バースと第六南防波堤の間に位置し、浚渫土量約58万m3を3隻のスパッド式グラブ浚渫船にて浚渫します。
 浚渫した土砂は開閉押航式土運船に積み込み、神戸中央航路を横断し、フェニックス神戸沖埋立処分場の南側を経由して土捨場所まで運搬し直接投入します。浚渫施工期間は約3ヶ月間(4月中旬〜7月中旬)を予定しており、短期間で大量の浚渫作業を行うこととなります。

2.安全対策

 浚渫場所は付近を大型コンテナ船が入出港し、回頭場所に近接しています。また、土運船運搬経路では神戸中央航路の横断、フェニックス神戸沖埋立処分場に入出港する廃棄物運搬船の航行ルートとの交差、危険物沖荷役錨地付近の航行など危険箇所が多く存在します。どれもが事故を起こすと重大災害に繋がる可能性が高いため、安全管理には細心の注意が必要です。
 安全対策としては、船舶の動静把握及び現場との情報伝達を如何に正確且つ迅速に行うかが重要となります。そこで、発注者が設置した神戸港浚渫工事航行安全情報管理室に専任の連絡員を配置し、情報管理室とリアルタイムで情報交換しながら、現場の作業船船長と直接無線により連絡することで正確且つ迅速な情報伝達を行います。
 また、作業船船長が他船舶の動静等を正確に把握するためにレーダーやAIS等を利用した各種管理システムを搭載しています。

3.既設構造物を考慮した浚渫方法

 浚渫場所の北側法面部は既設防波堤に近接しているため、浚渫に伴い既設構造物に悪影響を与えないよう細心の注意が必要です。そこで、磁歪式音波探査機により既設捨石マウンドの形状を事前に把握した上で、最新のグラブバケット角度制御装置と法面用グラブバケットを使用して法面部の過剰な余掘を防止します。

4.おわりに

 現在は浚渫作業を開始した直後で順調に進捗していますが、これからが本番であるため最後まで無事故無災害で円滑に進められるよう安全管理を徹底してまいります。



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