建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年4月号〉

【ZOOM UP】

幼児部から高等部専攻科まで一貫した支援機能整備のセンター校を建設

── 「学びの場」と「生活の場」を共用空間中庭で一体化

道立視覚障がい教育センター校新築工事

完成イメージ

 北海道建設部は札幌市の閑静な住宅街、山鼻地区の旧有朋高校跡地に「道立視覚障がい教育センター校」建設を進めている。
 設計主旨・施設概要は、北海道における視覚障がい教育の専門性の維持・向上を図っていくため、札幌盲学校(江別市)と高等盲学校(札幌)とを移転・統合し、幼稚部から高等部専攻科まで一貫した教育を行うとともに、その専門性を生かして、全道の道立義務盲学校を支援する機能を有する視覚障がい教育のセンター校を整備する。

設計主旨

 設計コンセプトとして、

(1)山鼻地区にふさわしい建築のたたずまいとして

1)分棟をひとつの外形輪郭に収め、統一感のある建物の印象をつくりだす
2)建物高さを周辺まちなみに合わせ、景観と調和させる
3)敷地外周を既存・新植樹木で覆い、風格あるたたずまいを目指す。

(2)分棟間を縁を切りながらつなげる「魅力的な中庭にする

1)「学び場」である学校と「生活の場」である寄宿舎を、共用空間である中庭を介して一体化させる
2)歩行訓練を兼ねた利用の中で、「香り」と「彩り」を連続的に体感できるよう設える
3)分棟間の視線の抜けが閉鎖感を和らげ、囲まれた中庭の安心感をもたらす。

(3)わかりやすい・使いやすいゾーニングとして

1)主要教室を一文字型の校舎内に収め、わかりやすい構成とする
2)職員室を校舎 2階中央に配置し、学校全体の管理中枢とするとともに、サポート機能へ短動線でアクセスできる構成とする
3)幼稚部、小学部など各部専用エリアに通過動線を発生させない階構成とする。

 これらの設計コンセプトを基に視覚障がいをもつこども同士の交流や学び舎を重視した教育センター校を目指す。


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