建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年4月号〉

広島の未来へつなぐ道の完成を目指して

 国土交通省 中国地方整備局
 広島国道事務所 所長
 柳屋 勝彦



 広島国道事務所では、誰もが安全で安心して暮らせるみちづくり、広島都市圏の経済や活力を支えるみちづくりを目指し、道路事業を進めており、現在、9箇所の道路改築事業(国道 2号安芸バイパス、東広島バイパス、広島南道路、西広島バイパス、岩国・大竹道路、国道54号可部バイパス、国道185号休山改良、安芸津バイパス、国道375号東広島・呉道路)のほか、現道での交通安全対策事業や維持・管理などを手掛けています。
 今回はその中から、昨年度末に開通しました国道2号東広島バイパス、広島南道路、国道54号可部バイパスの3事業と、今年度末に供用を予定しております国道375号東広島・呉道路についてご紹介します。

【国道2号東広島バイパス 延長約9.6q】

 東広島市から広島市間の国道2号は、一日当たり約4万3千台余り(平成22年調査)の利用があり、主要交差点においては慢性的な交通渋滞が発生しています。
 また、この区間は幅員が狭く、カーブや勾配も急なため交通事故が多発しています。
 東広島バイパスは、隣接する安芸バイパスとともに、こうした問題を解決するために、東広島市から広島市に至る、延長 17.3qで計画され、東広島バイパスが昭和50年度、安芸バイパスが平成7年度に事業化されています。
 このうち、東広島バイパス終点部の海田ランプを平成10年度に、広島市安芸区中野東町〜海田町海田東の2.7qを平成17年度に、さらに、この3月29日に広島市安芸区上瀬野〜安芸区中野東町間の延長4.4qについて、暫定供用したところです。 今回の供用により、東広島バイパスへの交通転換が図られ、最大約3kmを越えて発生していた渋滞の緩和や、死傷事故の減少が期待されるとともに、円滑で安静な救急搬送が可能となることで住民の安心な暮らしを支援します。

【国道2号広島南道路 延長約14.8q】

 安芸郡海田町〜広島市〜廿日市市間の国道2号は広島市中心部を通過していることもあり、一日当たり10万台余り(平成22年調査)の車が利用し、各所で慢性的な渋滞が発生しています。
 広島南道路は、このバイパスとして計画された湾岸道路で、平成元年に事業着手し、安芸郡海田町日の出町〜広島市南区出島一丁目間の延長8.4qを平成14年度までに、また広島市南区出島〜中区光南間の延長0.7qを平成22年度に、さらに、この 3月 23日に広島市中区光南〜西区観音間の延長2.6qについて、暫定供用したところです。
 今回の供用とあわせ、広島高速3号線等が開通したことにより、広島市の臨海部の東西を行き来する交通が円滑になり、物流の効率化や大型小売店の開発が進むなど地域の活性化が期待されます。

【国道54号可部バイパス 延長約9.7q】

 一般国道54号は、広島〜三次〜松江間を結ぶ陰陽連絡の主要な幹線道路です。しかし、沿道の広島市北部は急激な宅地化が進み、人口増加が進んだ結果、可部地区周辺では、主要交差点などで慢性的な渋滞が発生しています。
 その解消のため、計画された可部バイパスは、広島市安佐北区可部南一丁目〜同区大林町の延長9.7qの道路です。
 このうち、安佐北区可部南一丁目〜安佐北区三入二丁目までの約6qを平成18年度までに、さらに、この2月8日に安佐北区三入〜大林間の延長2.2qについて、暫定供用したところです。
 今回の供用により、可部バイパスへの交通転換が図られ、最大約4kmを越えて発生していた渋滞の緩和や、死傷事故の減少が期待されるとともに、物流の効率化や混雑緩和による利便性の向上による沿線地域の活性化に寄与します。

【国道375号東広島・呉道路(黒瀬IC〜馬木IC間) 延長約8.8q】

 一般国道375号の呉市から東広島市にかけての沿道は、広島中央テクノポリス地域に指定されており、地域産業の技術高度化と先端技術開発の拠点を目指して開発が進んでいる地域です。
 東広島・呉道路(32.8q)は、山陽自動車道、広島呉道路クレアラインとともに、広島都市圏東部地域で循環型高速ネットワークを形成する道路です。
 平成21年度までに供用している東広島市側の馬木IC〜高屋JCT・IC間11.7qに加え、平成24年4月に、呉市側の阿賀IC〜黒瀬IC間延長12.3qを供用しました。
 この開通により、呉市、内陸部工業団地、東広島市、山陽自動車道、広島空港など拠点間のアクセス向上のほか、並行する国道375号の渋滞緩和や事故減少が図られました。
 さらに、今年度末には、残る黒瀬IC〜馬木IC間延長8.8qについて、暫定供用を目指し事業を進めています。
 これらの改築事業とあわせ、交通安全事業や維持・管理に努め、誰もが安全で安心して暮らせるみちづくり、広島都市圏の経済や活力を支えるみちづくり、さらに、広島の未来へつなぐみちづくりを目指し、さらなる努力したいと思います。

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