寄稿 現場代理人の目「建設現場の最前線から」〈建設グラフ2014年1月号〉 道道北進平取線特定交付金(メルクンナイトンネル)工事
メルクンナイトンネルは平成24年10月から平成26年1月の15ヶ月間で、トンネル延長592m、道路幅員5.5mのトンネルとしてNATM工法により建設されています。 平成24年12月より掘削を開始し、平成25年5月にトンネル貫通、その後インバート工、覆工を行い、平成25年11月に覆工コンクリートの打設が完了いたしました。掘削は爆薬遠隔装填システム、エレクタ吹付け機、重機の後方監視カメラなどを使用し、安全作業に努めました。先進ボーリングで地質状況を確認し、日常の切羽観察、坑内計測を行って確実な施工に努めました。また、掘削時の坑内環境の改善として、伸縮ダクトシステムによる切羽直近での粉じんの吸引、吹付けコンクリートにフライアッシュを配合して粉じんの抑制を行いました。これにより粉じん濃度は2.4mg/.以下で管理することができました。 周辺環境への配慮として濁水プラントに砂濾過装置、油分離装置を設置し、河川環境の保全に努めました。また、自然由来の重金属を含んだズリの飛散や、降雨による浸出水発生を抑制するため、ズリ仮置き場に上屋を設置、仮設ヤードをアスファルトで舗装、ズリ運搬のダンプトラックの荷台全体を電動開閉シートで覆うなどの対策を行いました。重金属含有ズリについては、遮水シートによる封じ込めで適正に処理を行いました。 近隣への配慮として、冬期にむかわ町穂別市街地の除雪を行いました。また、地元の小学校4校を招いてトンネル現場見学会を行い、未来を担う子供たちにトンネルに興味を持ってもらいました。 竣工まであとわずかですが、最後まで環境に配慮し、品質の高いトンネルを安全に完成させるよう鋭意施工いたします。
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