建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2014年1月号〉

【ZOOM UP】

江差の伝統・文化を取り入れた特徴ある学校づくり

── 校舎と体育館が一体化のコンパクト構造

江差町 江差中学校改築工事

完成イメージ

 江差町は松前・函館と並び道内でも早くから開けた地域の一つで、ニシンの交易港として繁栄し、今も街中に往時の面影を残すまちである。
 江差中学校は、築50年以上が経過し老朽化が進んだことから、平成23年度に新校舎建設に向け基本構想・計画策定、同24年度に基本設計・実施設計を決定し、25年度より建設工事が進められている。
 校舎・屋体は26年度、外構完成は27年度の予定。
 江差中学校の改築にあたり、校訓の「無限求真」個性的な魅力にあふれた江差の伝統と文化を伝え、歴史的な資源を活用する。「和気藹々」老若男女、共に江差を誇り合い、共に江差を高めあう地域協働の核としてのコミュニティスクールを目指す。この2つのテーマを掲げている。
 また、校舎改築の基本的考えとして、
(1)学習環境として充実した学校づくり
(2)学校施設の性能や機能が充実した学校づくり
(3)地域に開かれ、将来において活用できる学校づくり
―としている。
 新築の江差中学校は未来に向けた「まちのシンボル」であるべきとの考えで、江差の伝統的な都市構成や商家の特性を表す、路地/土間/屋根という3つの特徴と対応させる。これまでの校舎は、校舎と体育館を別々に建て、渡り廊下でつなぐ構成だったが、新校舎は、体育館の3方を校舎が取り囲むコンパクトな構成とすることで、「(1)十分なオープンスペースを確保(2)風格あるたたずまいとする(3)学校全体が一体感のある学び舎とする(4)コスト削減と快適環境の確保(5)防災拠点としての機能性向上」との5つの新しい価値を生み出す学校施設としている。


HOME