建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年12月号〉

【ZOOM UP】

入居者の利便性と地域住民とのコミュニティ形成を図る

── 在宅介護に適した居住スペースや福祉、保健医療サービスの充実を図る

北見市道営住宅(高栄団地B棟)新築工事

完成予定パース

 北海道建設部は北見市高栄地区と連携を図り、「大規模団地におけるコミュニティー形成」の一端を担い、「地域活性化」に資し、「入居者がいきいきと暮らせる住まい」を目指し高栄団地(B)新築事業を進めている。
 基本方針として、整備にあたり、子供からお年寄りまでできるだけ多くの人を対象に身体状況や家族構成等の変化に対応できるように、在宅介護にも配慮した、暮らしやすい部屋の広さや移動の容易性といった基本性能を有する良好な居住環境づくりの実現を図るとの方針とした。
 設計方針としては、
(1)安全で安心して暮らせる住宅
 @安全:災害や事故など危険につながらないこと
 A安心:防犯や緊急時の対応など安心できること。
(2)自立した生活がおくれる住宅
 @簡単:わかりやすく使い勝手がよいこと
 A連続:行動の連続性が確保されること。
(3)いきいきとすこやかに暮らせる住宅
 @自由:生活する上での自由度が高いこと
 A交流:入居者や地域とコミュニケーションしやすいこと
 B快適:四季を通じて快適に暮らせること。
 ―の3つの基本方針と7つの視点に配慮した。
 基本仕様として、建物及び外構をユニバーサルデザインの視点に立った共通的な仕様とすることを基本に、あわせて入居者自らが、身体状況に応じ軽微な改善が図れるよう配慮を行う。
 住棟配置では、地域の「緑ネットワーク」を軸に、人・車の流れ、風の流れ、敷地の高低差を読み解き、街区の構成に馴染んだ配置計画とした。現状地盤のレベルの低い南側に5階建、レベルの高い北側に4階建住棟を配置することで、スカイラインを揃え、街区全体として圧迫感を軽減する。
 また、敷地内にオープンスペース(陽だまり広場)を確保し、道営住宅の住民、地域の住民の活動拠点となるような広場を設置し、コミュニティーの形成を図る。
 一方、福祉施策として、福祉部局と密接に連携し、入居者に対して必要な福祉、保健・医療サービスが提供されるように努める。具体的には在宅支援施設の活用や社会福祉施設の活用が出来るようにする。


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