建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年10月号〉

【ZOOM UP】

快適な学習環境の整備と児童に優しい校舎づくりを目指す

── 外断熱工法採用で建物の長寿命化と室内環境の向上図る

札幌市 東札幌小学校改築工事

完成予定パース

 東札幌小学校は、市街地中心部から4qほど南東部に位置し、地下鉄白石駅や南郷通り、環状通りの主要幹線道路に隣接する、交通の利便性が良い地域にある。
 同校は、昭和39年に校舎を建設、翌年に屋内運動場棟を、その後は、7回の増改築などを経て、現在に至っている。築40年以上が経過し老朽化が進み、耐震性能も低いため改築することになった。

配置計画
 グラウンドに校舎・屋内運動場を一体にL字に建てる計画で、工事中は既存校舎・屋内運動場を利用し仮設校舎を必要としない建て替え計画である。
 また、校舎棟は南東側に配置、普通教室に良好な日照を確保する、日影はグラウンドにおちることで付近住民への日影にも配慮している。プール棟は現存の建物を利用する。さらに、通学路線は北側、給食やペレット搬入などの車両動線は南側からとして歩車分離を図り、安全性を確保している。

平面計画
(1)各階を緩やかな大階段でつなぎ、吹き抜けを介して児童交流のきっかけ、光・風の通り道をつくり、快適な環境づくりとする。
(2)管理諸室は1階に集中させ、職員室は昇降口・グラウンドが見渡せる位置に配置し、防犯性・安全性を考慮した。
(3)普通教室群を最も日照条件の良い南東側に学年単位で配置した。また、ワークスペースを併設し学年毎の授業などに柔軟対応する。
(4)各階に児童のたまり場、憩いの場として利用できる「デン」を配置している。
(5)図書室とランチ対応多目的室、家庭科室を隣接させることで、一体利用できるようにし、調理実習時の食事の場など食育環境を作る。

 その他、建物の寿命を延ばす外断熱工法を採用。校舎内の床の段差をなくし、エレベーター及び車いす用便所設置など障がい者に配慮した。また、校舎屋上に太陽光パネル設置し、児童の見学スペースの確保で環境学習にも役立たせる。主な暖房熱源に環境にやさしいペレットボイラーを導入した。


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