建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年10月号〉

【ZOOM UP】

ワークスペースを併用し学年毎に柔軟な授業対応

── 太陽光パネル設置やペレット暖房導入で省エネ・エコ学習も

札幌市 南郷小学校改築工事

完成予定パース

 南郷小学校は、札幌市街地中心部から南東部の地下鉄南郷7丁目駅に近く低中層の住宅地域に位置している。学校周辺には白石区役所、白石体育館、白石消防署の公共施設や商業施設、商店街などの賑わいのある地域となっている。
 同校は、昭和37年12月に開校し、築50年が経過した。この間に増改築を行ってきたが、校舎の老朽化が進み、耐震性能が低いことから校舎改築を進めることになった。一方、体育館は平成2年に改築、プールは平成4年完成しており既存の建物を利用する計画となった。

配置計画
屋内体育館棟、プール棟は既存の建物を利用し、敷地を有効活用し、仮校舎を必要としない建て替え計画とした。また、建物は北側に配置し、旧校舎と同じ3階建てとするが、北側の住宅への日影や圧迫感に配慮し、上階ほど床面積が狭くなる階段状としている。
 さらに、給食やペレット搬入動線を校舎西側からとし、校舎東側の生徒動線と分離することで安全な動線を確保している。

平面計画
@普通教室群は日照条件の良い南側に配置した。また、ワークスペースを併用し、学年毎の授業などに柔軟に対応する。
A廊下は見通しが容易な形状で明快な構成とし、中廊下部分を最小限に減らし、光庭を設け明るい校舎とする。
B2、3階に児童の溜まり場、憩いの場として利用できる“デン”を配置した。
C管理諸室は1階に集中して配置し、特に職員室から昇降口・グラウンドが見渡せることで防犯性、安全性を考慮した計画となっている。

 その他、コンクリートの耐久性向上と建物の長寿命化や外部環境の温度変化を遮断することで室内温度の安定や室内環境の向上を図るため外断熱工法を採用した。  また、学校内の床段差の解消やエレベーター及び車いす用便所を設置するなど障がい者への配慮をしている。省エネ・エコ化として校舎屋上に太陽光パネルの設置、児童の見学スペースを確保し環境学習にも役立てる。さらに、暖房熱源はペレットボイラーを導入する。


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