建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年9月号〉

【寄稿】釜石港内工事の安全のために

 釜石港安全衛生推進協議会

 会長(五洋建設株式会社) 下川床 徹












1.釜石港完全衛生推進協議会

 当協議会は釜石港内で作業を行う工事関係者及び、施工に関わる水域利用者で構成されている。
 顧問として国、自治体の発注者、釜石労働基準監督署、釜石海上保安部、釜石警察署等の関係機関が所属している。
 釜石港湾口防波堤の整備完了時に一時休止したが、東日本大震災復旧工事の開始とともに再開した。
 当協議会の目的は釜石港港湾工事の安全に貢献する事であり、工事間の連絡調整はもとより災害情報の水平展開や気象警報の情報交換等を行い、災害の防止に努めている。

2.協議会の具体的活動内容

・情報発信
 気象警報等の情報や周辺海域での工事情報及び航路規制等の情報を会員へ周知する。海難事故、労働災害等の情報を会員相互で水平展開し、同種災害の発生を防止する。
・工事間の連絡調整
 2週に一度工程会議を開催し、工事間の連絡調整を行う。輻輳する作業についての作業順序を定めたり接岸岸壁や作業船アンカーの取合い等など、調整が必要な作業を確認する。
・安全パトロール
 安全意識の高揚のため、会員及び顧問によるパトロールを定期的に実施する。
・港湾設備の運用や改善についての提言を行う。
 復旧工事の進捗に伴い制約を受ける岸壁等の使用についての要望や調整を行う。
・関連団体行事への参加
 釜石市周辺で実施される各団体による講習会や会議へ参加し、会員相互の安全意識の向上を図る。

3.あとがき

 東日本大震災による津波により、釜石港は市街地や周辺施設のみならず、湾口防波堤も大きな被害を受けた。
 被災した湾口防波堤から公共ふ頭や漁港岸壁に波浪が侵入し船舶の就航に支障をきたしている状態である。
 一刻も早い復旧に向け、昨年度より工事が本格化している。
 しかし、東北各所で工事が輻輳しているため、材料や機械、労務が不足している状態である。
 復旧工事担当者は大変な苦労をして工程の遅延回復に努力をしている。
 当協議会が積極的に安全や作業間の連絡調整に関わり、復旧工事がより安全、円滑に履行できるよう活動してゆく所存である。


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