建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年8月号〉

　副局長インタビュー 北海道 釧路総合振興局・根室振興局

地震多発地域として防災対策の徹底を図り、地域の安全・安心な暮らしを守る

北海道 釧路総合振興局 副局長(建設管理部担当) 　兼 根室振興局 副局長 　佐々木 誠也　ささき・せいや   　昭和36年1月21日生 　昭和58年4月 北海道職員採用 　昭和58年4月 留萌土木現業所 　昭和62年8月 旭川土木現業所 　平成3年6月 住宅都市部都市整備課 　平成8年4月 帯広土木現業所事業部道路建設課都市整備係長 　平成11年5月 総合企画部計画推進室主査 　平成13年4月 建設部道路計画課主査 　平成14年4月 国土交通省北海道局地政課開発専門官(国土交通技官) 　平成16年4月 空知支庁地域政策部主幹(兼ねて札幌土木現業所企画総務部企画調整室主幹) 　平成19年6月 建設部土木局道路課主幹 　平成21年4月 総合政策部計画推進局参事 　平成22年4月 建設部建設管理局建設政策課長 　平成25年4月 釧路総合振興局副局長(建設管理部担当)(兼ねて根室振興局副局長)

──副局長ご就任と本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせください

佐々木　釧路・根室地域は、平成5年の釧路沖地震など近年大きな地震が発生し被災しており、地震の多い地域です。まずは各施設の耐震化や津波に備えた対策について市町村の皆様と連携し着実に進めるとともに、火山や暴風雪などへの対応にも努めて参ります。
　一方、経済・雇用情勢は依然として厳しい状況にある中、地域の活性化への支援に向けた社会資本整備を進めます。
　また、昨年度に大型補正が組まれたことにより、当建設管理部の平成25年度の公共予算は実質大きく伸びており、建設業界の皆様などの意見を踏まえながら適切な執行に努める所存であり、地域の方々の安全で安心した生活を守るため、しっかりと取り組んで参りたいと考えています。

知床公園羅臼線（B改-286）交付金工事（繰越））

─―安全で安心な地域づくりで特に喫緊課題の防災対策強化の取り組みについてお聞かせ下さい

佐々木　先ほどもお話したように、釧路は地震の多い地域です。一昨年の東日本大震災では、当地域において漁港など被害を受けており、地域の皆様の最大の課題である津波対策の検討を進めて参ります。
　また、先般多くの犠牲者をもたらした暴風雪への対応、雌阿寒岳の火山や近年多発する集中豪雨などへの対応も喫緊の課題であり、防災訓練も含め、検討を進めて参ります。

──平成25年度予算執行にあたり最重要施策などがあればお聞かせ下さい

佐々木　平成25年度の釧路建設管理部における国費予算事業費(補助事業、社会資本整備総合交付金事業、防災・安全交付金事業等)は、当初予算94億25百万円で対前年度比90.6%となり116個所を実施する予定です。また、今年度は昨年度の国の大型補正を加え15ケ月予算となっており、これを合わせると147億5百万円となり、対前年度比は141.4%となります。
　事業毎の予算は道路・街路事業として農水産物の輸送、観光アクセスや緊急輸送ルート確保のため幹線交通ネットワーク整備を重点に総額52億87百万円、96個所で実施します。
　河川事業では、近年のゲリラ的集中豪雨や台風の発生など異常気象により、水害や土砂災害が頻繁している。住民の生命や財産を守り、防災・減災の観点で18億38百万円、15個所の整備を、砂防・急傾斜地事業では5億93百万円で10個所の整備を進めます。
　また、地域の主力産業である水産業の核となる漁港整備では29億84百万円、23個所を、高潮・波浪による海岸侵食や決壊からの国土の保全などに27億69百万円、20個所や漁港海岸事業で12億34百万円、10個所で事業を推進します。
　主な個所は、物流の向上や地域活性化を図るため、地域高規格道路の根室中標津線や釧路インター線の整備を進めるほか、防災対策として、知床公園羅臼線のマッカウストンネルの供用を目指すほか、釧路鶴居弟子屈線の防雪柵整備などを行って参ります。
　また、治水対策として、釧路川や標津川などの河川整備を進めるほか土砂災害などに備えるため、平成24年に発生した大規模な土砂災害への対応で刺牛川(白糠町)の砂防・地すべり・急傾斜事業や雌阿寒岳の火山噴火警戒避難対策事業を行います。
　さらに、漁業の振興に資すために、地域と連携を図りつつ尾岱沼漁港などにおいて衛生管理型の漁港整備や野付半島の侵食対策など海岸保全事業にも取り組みます。

昆布森漁港機能保全工事

──社会資本整備事業や災害復旧対策などで地域に貢献している建設業界へのご要望や期待がありましたらお聞かせ下さい

佐々木　建設業を取り巻く環境は、依然と厳しい状況にありますが、その中で地域の建設業は社会資本の整備を通じ、地域の安全・安心を守り、地域経済の活性化に寄与して頂いているほか、日頃の除雪などの維持・管理や災害時の応急対策などへの支援など地域にとって無くてはならない重要な役割を担っているものと認識しています。
　釧路建設管理部としては「建設業経営効率化協議会」や円滑な施工を進めるための「三者検討会」などあらゆる機会を通じ、建設業の経営安定化に向け努めて参りたいと考えており、建設業の皆様におかれましても道行政の推進のため引き続きご理解、ご協力をお願い致します。

標津漁港水産流通基盤整備工事1工区