建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年8月号〉

 副局長インタビュー オホーツク総合振興局

広域分散型の管内を道路ネットワークでつなぎ、安心・安全で個性ある地域づくり

 北海道 オホーツク総合振興局 副局長(建設管理部担当)

 清水 文彦
 しみず・ふみひこ
 昭和33年7月16日生まれ 岩見沢市出身
 北海道大学工学部 卒業
 昭和57年4月 北海道庁入庁(釧路土木現業所)
 平成8年4月 小樽土木現業所事業部道路建設課道路維持係長
 平成10年4月 帯広土木現業所事業部道路建設課道路係長
 平成12年4月 道庁建設部道路計画課主査
 平成13年4月 道庁建設部道路計画課道路計画係長
 平成16年6月 釧路土木現業所事業部事業課長
 平成17年4月 道庁建設部都市環境課主幹(岩見沢市派遣)
 平成19年4月 道庁建設管理局建設政策課主幹
 平成21年4月 帯広土木現業所事業部長
 平成22年4月 道庁建設部土木局道路課長
 平成24年4月 現職

小石川広域河川改修事業
──本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせ下さい
清水 豊かな自然環境を生かした一次産業や観光業が、オホーツク地域の重要な産業であると認識していることから、これらを支える事業に積極的に取り組むと共に、大型補正を含み、増大している予算の円滑な事業執行にも努めてまいりたいと考えています。
──安全で安心な地域づくりと喫緊課題の防災対策強化に向けた取り組みについてお聞かせ下さい
清水 この地域では、広範囲に渡って住民が生活をしていることなどから、管内の多くのまちが高次医療機関から離れた場所に位置しております。重篤重傷患者を短時間で安全に高次医療機関へ搬送できる体制づくりが課題となっている現状を踏まえ、「命をつなぐみちづくり」として救急搬送路である道道の整備を行ってまいります。
 また、都市部の住宅密集地などを豪雨出水による浸水被害から防ぎ、住民の安全安心を確保することを目指して河川整備を行ってまいります。
──平成25年度予算執行にあたり最重点の施策などをお聞かせ下さい
清水 まず、網走建設管理部の予算は、平成24年度補正予算で補助・交付金で約85億円、平成25年度の当初予算(補助・交付金等)は約92億円、単独事業費約16億円の合計で約193億円となり前年当初予算の約169億円に比べ14%の増となっています。
 道路関係事業では、特にオホーツク管内は広い地域に約31万人が暮らす道内でもひときわ広域分散型社会の色合いが強い地域であることから、管内や管外との物流の効率化、観光振興などに資する道路ネットワークの拡充整備が重要で、自然災害に対する危険箇所の解消や緊急時の輸送確保、地域医療を支援する道路整備などに努めるとともに地域のまちづくりと一体となった道路整備事業を推進したい。

 また、治水関係事業では、近年全国的に多発している集中豪雨や台風による水害、土砂災害等の自然災害に対応する安全性の高い保全施設の整備を推進する。整備にあたっては、安心できる国土の形成(安全)、自然環境と調和した生きている川づくり(うるおい)、個性あふれる地域づくりと連携強化の支援(活力)、人と水とのかかわりの再構築(ふれあい)の4本柱を基本に取り組みたいと考えています。  重点事業として北見市の小石川広域河川改修事業ですが、平成23年度から3カ年債務工事により延長509m、内径5.8mの河川トンネル(シールド工法)が貫通しました。今年度は、その前後の開削トンネル、延長86mを整備する予定です。
 次に、3・3・51川東通(一般道道北見美幌線=北見市)は常呂川で分断された北見市中心部と川東地区を結び、国道39号「北見道路」(平成25年3月31日開通)にもアクセスする交通ネットワーク上極めて重要な道路として、526mの新設橋梁を含む1.1qの街路整備に着手します。
 さらに、拠点となる漁港の衛生管理型整備事業では、斜里漁港(斜里町)、常呂漁港(北見市)、湧別漁港(湧別町)、沙留漁港(興部町)、雄武漁港(雄武町)の整備事業を進めます。また、漁港外郭施設の機能拡充とともに水揚げをした魚貝類の鮮度保持を目的として、直射日光や降雨、鳥の糞害を防ぐ上屋付き岸壁などの整備も行っていきます。
常呂漁港
──社会資本整備事業や災害復旧対策などで貢献している建設業界への要望や期待などお聞かせ下さい
清水 公共施設の整備や維持管理はもとより、災害時の対応などに関して、この地域に精通した建設業界の方々の高い技術力や施工能力は大変重要であり、建設業は我々の目的を達成するためには、なくてはならない重要なパートナーであると認識しております。
 今後も、蓄積された技術・知識・人材等の持てる力を遺憾なく発揮して頂き、このオホーツク地域をさらに魅力ある地域にしていただきたいと願っています。

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