建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年8月号〉

 副局長インタビュー 胆振総合振興局・日高振興局

漁港整備や防災対策の強化を推進、安心して暮らせる活気ある社会の実現を目指す

 北海道 胆振総合振興局副局長(建設管理部担当)
 兼 日高振興局 副局長

 副局長 片沼 弘明
 かたぬま・ひろあき
 昭和32年4月30日生まれ 札幌市出身
 北海道大学工学部土木工学科 卒業
 平成17年4月 企画振興部計画室主幹
 平成18年4月 企画振興部地域振興・計画局計画室主幹
 平成19年6月 建設部土木局河川課主幹
 平成21年4月 旭川土木現業所事業部長
 平成22年4月 建設部建設管理局建設政策課政策調整担当課長
 平成25年4月 現職

──副局長ご就任と本年度の事業推進にあたり抱負をお聞かせ下さい
片沼 私の仕事は、地域の安全・安心にかかる部分が第一で、職務を遂行するにあたっては、いわゆる「ほうれんそう」が大切で風通しの良い職場を目指しています。職員には「心と体」の健康管理をお願いしています。さらに、地域の安全・安心に直結する“危機管理の徹底”が必要だと思っており、全職員にも意識の徹底を行っております。
 事業執行にあたっては、地域の皆様方が安全で、安心して暮らせる活力ある社会を実現するため、地域の特性や潜在能力を活かしながら、国や市町村などの関係機関とより一層の連携を図り、効率的かつ効果的な実施に努め、社会資本整備を着実に進めて参りたいと考えています。
倶多楽湖公園線(登別市)
──安全で安心な地域づくりと喫緊の防災対策強化に向けた取り組みをお聞かせ下さい
片沼 胆振・日高管内は自然環境が豊かですが、その裏返しとして、大雨や火山、地震等の自然災害への備えが必要です。この観点から「洪水や土砂災害に備えた安全性の高い災害防止施設の整備」や「災害時の緊急避難や緊急車両、緊急物資の輸送等に必要な道路の整備」などを推進していかなければなりません。
 また、津波の影響を大きく受ける地域であるので、その対策が必要であり、関係機関と連携を図りながら、地域の合意を得ることが喫緊の課題であると認識しています。
──平成25年度の最重点施策などお聞かせ下さい
片沼 最初に、当部の平成25年度の事業予算は、平成24年度の国の緊急経済対策に係わる補正予算分が約51億円、平成25年度当初では公共費で約142億円、単独費で約18億円で合計約211億円となり、昨年度当初と比べると約15%の増となっています。
 事業別では道路街路事業として災害に強い道づくりや交通拠点及び観光地へのアクセス強化等の整備方針を掲げて進めていきます。最初の災害に強い道づくりとしては、落石箇所対象を、大岸礼文停車場線(豊浦町)、平取静内線(平取町)、静内中札内線(新ひだか町)等で継続事業、また、有珠山噴火時の迂回ルートとして、洞爺公園洞爺線(壮瞥町)や滝之町伊達線(伊達市・壮瞥町)の整備を継続して進めます。次に、交通拠点等へのアクセス強化として、北進平取線(厚真町)の整備を進め、道東自動車道むかわ穂別ICから苫小牧東港や新千歳空港へのアクセスを強化します。また、日高自動車道へアクセスする比宇厚賀停車場線(日高町)の整備を進めるとともに、厚真浜厚真停車場線(厚真町)に新規着手します。観光地へのアクセスとしては、登別温泉周辺の倶多楽湖公園線(登別市)の整備や二十間道路桜並木、サラブレッド観光に寄与する平取静内線(新冠町)は今年度中に完成の予定です。
 治水・防災関係事業では、洪水や土砂災害に備えるため、安全性の高い災害防止施設の整備を進めます。治水対策として、安平川(安平町)、厚真川(厚真町)、知利別川(室蘭市)、波恵川(日高町)などの主要河川の整備を継続して進めます。ダム事業は、厚幌ダム(厚真町)で本体工事の着工に向け各種調査や設計を進めます。砂防事業としては池売川(平取町)、穂別沢川(むかわ町)、トマチャナイ川(新冠町)などで事業継続のほか、団地沢川(浦河町)は新規に立ち上げます。また、庫富沢川(日高町)は今年度の完成予定となっています。防災関連の急傾斜地崩壊対策事業で、室蘭中島本町3丁目4での継続や地滑り対策で上久保内地区(壮瞥町)で本工事に着手します。また、ソフト対策で樽前山や有珠山周辺で、通信回線の強化を推進します。
 建設海岸・漁港事業としては、黄金海岸(伊達市)において離岸堤の整備を継続実施します。また、有珠山噴火以降“災害に強い漁港”として虻田漁港大磯分区(洞爺湖町)の整備の外、鷲別漁港(登別市)などで事業を継続していきます。
庫富沢川(砂防)(日高町)
──社会資本整備事業や災害復旧対策などで貢献している建設業界への要望や期待などお聞かせ下さい
片沼 地域経済や雇用の面からも建設業は地域の要であり、平成23年の震災復興においても、建設業の活躍は広く認識されています。地域の社会資本の整備はもとより、地元の生命線である道路の維持管理や災害時における緊急事態時の対応など、建設業の果たす役割は重要です。その面では、地域を知り尽くし、地域で生きている地場企業の存在は非常に重要で頼もしく、その尽力には大変感謝しています。
 依然として厳しい経営環境と思いますが、私達のパートナーとして、これからも地域の中心となり、誇りを持って地域社会に貢献していくことを期待しています。
えりも本町1-1(急傾斜)(えりも町)

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