建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年7月号〉

北海道空知総合振興局 札幌建設管理部

【寄稿】(仮称)幌子トンネル施工状況

―― 道道美唄富良野線特定交付金(幌子トンネル)工事

伊藤・宮坂・植村特定建設工事共同企業体

 現場代理人 大塚 圭一

 本工事は、美唄市東美唄地区から芦別市幌子地区に至る路線で美唄市と芦別市の境界地点に位置する山岳地帯に新設する延長1,821mのトンネル工事です。
 道道美唄富良野線は、南空知地域と上川南部地域の短絡ルートで横断する。農林水産物流の利便性向上、地域ネットワークの構築、観光アクセス向上を図るための他に、災害時による道路寸断の影響により孤立化する集落を解消することが目的の整備の一環として、早くより地元自治体や地域住民から早期開通がのぞまれています。
 本トンネルは、NATM工法の発破掘削・補助ベンチ付全断面工法及びショートベンチカット工法により起点側(芦別側)から掘削する。約1/3が軟岩〜硬岩で砂岩主体の比較的良好な三笠亜層郡であるが、終点側(美唄側)の約2/3は蝦夷層郡主部の砂岩・泥岩互層からなる軟岩である。終点坑口の約200mは、断層破砕帯や砂岩・泥岩細互層の破砕岩卓越部があるため、掘削による緩みの拡大、切羽の不安定化、泥濘化が懸念される。
 また、当トンネル区間ではメタンガスが発生する可能性があるため、工事着手前に充分な安全対策を検討して、施工を開始している。
 本工事の位置する場所は、自然豊かな区域であるため、全工期を通じて自然環境の保持に努め、無事工事を完成したいと思っております。


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