建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年6月号〉

【ZOOM UP】

武道の心と技を伝承、伝統文化を次世代に継承

―― ユニバーサルデザイン採用で市民に親しまれる施設目指す

北見市 武道館新築事業

外観完成イメージ

 北見市は、都市空間における憩いと癒しの機能を有する都市公園、また、スポーツを楽しみ交流できる環境で市民に親しみ、利用されている東陵運動公園内に武道館建設を進めている。
 基本設計策定にあたり、日本古来の伝統文化の継承・発展と各種武道における安全かつ継続的な日常の鍛錬を可能とする武道館としての機能を備える。人にやさしく高耐久で維持管理が容易な公共施設とし、ユニバーサルデザイン、ライフサイクルコストの視点をはじめ、建築物は木質化の推進で地域材を利活用する。
 また、8種の武道関係団体で構成される北見市武道振興協議会による武道に関する専門的見地からの提言やプロポーザル選定委員会での技術提案などを踏まえ、より効果的で効率的な施設を目指し基本設計概要を作成した。

平面計画

 武道館を訪れた人が館内の様子が伺え、武道の雰囲気を感じてもらうため1階中央部には「武道のひろば」を配置した。各道場はコンパクトな矩形の領域に集約しつつ、集中して稽古に励むことができるよう独立性にも配慮した。
 また、2階は施設管理上の観点から配置した廊下からは、1階から吹き抜けとなる道場1及び道場2の様子を伺えることも可能とした。公共施設におけるユニバーサルデザインの視点から、出入り口幅、廊下幅の確保、手摺やスロープ、エレベーター設置や多目的トイレ、授乳室等を配置した。床・壁などは可能な限り木質化を図る。

立面計画

 周囲の景観に配慮し、切妻屋根の採用で建物の高さを抑え、特に軒を低くすることで圧迫感を軽減している。色彩は外観下部を重量感のあるコンクリート打放し、外壁上部と屋根で明暗をつけ、外壁下部の落ち着いた印象と、外壁上部と屋根のコントラストにより、武道のもつ礼節と格式を醸し出す。

施設内部(武道場)

● 道場1は常設畳敷きの主に柔道・合気道に使用する。柔道国際規格2面分を確保。
● 道場2は全面板張りの主に剣道・少林寺拳法に使用する。剣道の11m四方の試合場2面分を確保。
● 道場3は全面板張りの主に空手・居合道に使用する。
● 弓道は10人立を可能とし、矢道は屋外で芝張りを施し、安全対策で防矢ネットを設置。屋内練習も可能。



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