建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年4月号〉

【TOPICS】

開発予算削減に歯止め、総予算(案) 4770億円計上、
北海道開発事業費は4676億円に

―― 「食」「観光」「環境・エネルギー」政策推進と安心・安全な国土づくりに前進

2013年度北海道開発予算

はじめに

 自民党・安倍政権による2013年度予算案は「強靱な国づくり」を基本に「経済再生」推進に向けた予算編成となった。また、「防災・減災対策」を柱にした大幅な補正予算が組まれ、今年度予算は15カ月予算と位置づけされた。補正予算は2月末成立し執行段階に入り、本予算は国会審議となっている。
 今回の本予算編成は、小泉政権、民主党政権と続いた“公共事業費削減”から3.11東日本大震災の教訓のもと、今後予想される大震災への備えや自然災害等から国土を守り、安心・安全な国民の生活を守るとの位置づけで、これまでとは一転した大規模な公共事業費の計上となった。

2013年度北海道開発予算(案)

 2013年度総予算額は前年比10.8%増の4770億円が計上され、長年続いた予算縮減傾向に歯止めがかった。その中で、北海道開発事業費は4676億円で前年比11.3%増となった。
 部門別事項では、道路整備事業で1602億円(前年比5.5%増)、農林水産基盤整備で1057億円(前年比30.9%増)の増額予算となっている。また、治山治水が前年比1.1%減、港湾空港整備鉄道等が前年比3.0%減となった。一方で、社会資本総合整備交付金として37.3%増の728億円を計上した。

主な事業内容

 北海道開発予算は、平成20年7月決定の「第7期北海道総合開発計画」基づき、北海道が強みとする「食」「観光」「環境・エネルギー」分野を中心に日本再生に貢献できよう、地域・民間の様々な社会経済活動を支える基盤整備推進に重点を置き、“食糧供給力の強化”“持続可能な低炭素循環型社会の形成”“災害に強い地域・国土の構築”の3施策を重要課題と位置づけられている。
 事業項目は、先ず民主党政権で“凍結”させていた4ダム事業を再開させる。上川管内サンルダム、日高管内平取ダムで本体基礎工事に着手するほかに、新桂沢ダム、三笠ぽんべつダムで本体工事用の道路整備などを進める。
 また、農業農村整備として、当麻永山地区で用水路改修や調査事業で網走川中央地区のかんがい排水事業、北野地区、旭東地区で農地再編整備事業に着手する。直轄漁港整備事業として厚岸漁港での耐震岸壁改良や登別漁港の人口地盤整備などを計画している。水産基盤整備としてウトロ漁港で人口地盤造成、サロマ湖漁港の防波堤整備を継続し水産物の生産力向上や安全・高品質化を推進する。道路整備事業でも継続事業が引き続き進められる見込みとなっている。
 2013年度本予算は4月末成立予定(5月執行予定)の見込みだが、防災・減災・インフラ事業を柱にした2012年度の補正が執行され、北海道における公共事業発注が本格化する。今回の大型予算(15ヵ月予算)は厳しい状況が続いた建設業界回復と北海道経済の好転、地域活性化などに大きな期待が寄せられる予算(案)となった。早期執行が望まれる。




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