ZOOM UP 学年毎のワークスペース併設良好な学習環境づくり── 日射負荷を最小限とする建物配置と将来のレイアウト変更がしやすい計画東京都財務局 都立第五商業高校校舎棟改築工事
東京都が新設する都立第五商業高校は、校舎を小さなボリュームに分節化し、ヒューマンスケールな景観を形成し、色彩や仕上材、デザインモチーフに自然素材を用い、緑豊かな周辺住宅街との調和を図るとともに、陰影の深い表情で、品格ある学校の顔を創出することを基本コンセプトとして建設されている。
そして、正門のある東側に特徴的な表情をつくることで、学校の「顔」としている。校内への主動線となる通りは、「顔」のデザインを受継ぎ、学校のメインストリートと位置づけられている。特徴的な表情には、緩やかな曲面を用い、品格のある洗練された印象を持たせている。 周辺は緑豊かな住宅街であるため、それに調和させるとともに、「木立ちと木漏れ日のモチーフ」を演出している。そこで、垂直方向を強調するデザインで、周囲の木立ちと同調させ、有孔素材やスリット採光を取入れ、木漏れ日のような効果を実現させている。また、配色はアースカラー系とし、グラウンドの土や周囲の樹木と馴染ませている。 周辺の住環境に配慮するため、法55条の高さ制限内に、余裕を持っておさまる断面計画としている。そこで、建物高さは約12~13mに抑え、セットバックすることで周辺と調和した計画とする。 北側住宅地にも配慮し、北側に配置される弓道場・駐輪場は平屋とし、北側住宅地への日照を確保すしている。体育館棟と格技棟は、建物高さ12~13m程度となるが、北面はGL+10m程度に統一し、北側住宅地に配慮した計画となっている。
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