建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年3月号〉

津軽ダム建設事業と地元貢献(西目屋村)

―― 地元に親しまれる貯水池建設事業

 津軽ダム建設工事等事故防止対策協議会

 会長 中上 政司(滑ヤ組)

1.工事概要

 津軽ダムは岩木川水系岩木川の西目屋村に建設する多目的ダムで、50年前に建設された目屋ダム直下流60mの位置に建設される堤体積72万m3のコンクリート重力式ダムである。  建設目的は洪水調節・流水の正常な機能の維持・かんがい用水・水道水・工業用水・発電である。近年異常気象に伴う渇水が平成19年・23年・24年と頻繁に発生し、ダムの早期完成が待ち望まれている。ダム完成後は総貯水容量が既設目屋ダムの3.7倍(1.4億m3)になる。

右岸から施工ヤードを臨む

2.本体建設工事の特徴

 津軽ダムは直上流の目屋ダムの運用に影響を与えないように、工事施工条件から半川締め切りで施工を行った。堤体コンクリートは合理化施工であるRCD工法で計画・施工を行っている。  また、更なる合理化を図るため巡航RCDを採用している。巡航RCDはスランプ0の超固練りの内部コンクリートを先行打設した後、外部コンクリートを追随して打設する工法である。  貯水池は津軽白神湖と命名され、その貯水池の水質保全の目的で貯水池保全ダム3.5万m3(コンクリートダム)、および河川水・水質保全砂防えん堤2基と上流から清水を通すバイパス管5.9kmが設けられている。

3.地元に親しまれる建設事業

広報にしめや・2012年4月号に紹介された記事
 事業全体の事故防止対策として津軽ダム建設工事等事故防止対策等協議会を組織し、工事の安全管理の推進を図っている。また、この組織を通じて各建設会社が地元へのボランティア活動に精力的に参加している。  毎年、冬の豪雪時に1人暮らし老人宅や公共施設などの除排雪を実施しており、平成24年は41件の依頼に応えた。日頃、工事のために少なからず迷惑をおかけしたお返しとして、事故防会員による自主的な道路清掃・草刈作業も行っている。  工事に携わる数社は、災害時における応急対策業務に関する協定を西目屋村と結び、緊急対応を行うとともに西目屋村総合防災訓練にも参加している。  村との交流として 暗門祭でのよさこいそーらん・乳穂ヶ滝氷祭りでのかまくらつくり・青森県民駅伝への西目屋村チームにも参加している。




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