建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年2月号〉

年頭所感

国土交通省 北海道開発局 旭川開発建設部 部長 鎌田 照章

 新年あけましておめでとうございます。平成25年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、7月の九州北部豪雨災害、道内では、4月に霧立峠、5月に中山峠で大規模な土砂災害が発生し、管内では、十勝岳で6月から発光現象が確認され、12月には12年ぶりに火山性地震が観測されました。
 このような中、地域の皆様の防災に対する意識が高まっており、防災・減災の取組を更に進めていく必要性を改めて感じました。
 一方、旭川の顔として親しまれている旭橋が、架橋から80年を迎え、旭橋を愛する皆様が様々なイベントを企画し、記念すべき年に花を添えました。
 また、シーニックバイウェイ北海道とガーデン街道協議会が連携協働し、「100年の木プロジェクト」がスタートした年でもありました。このように、既存の社会資本ストックを活用した取組や未来を見据えた取組が、地域の多様な主体により連携・協働して行われました。
 さて、当部では、農業、道路、治水の社会資本を整備しております。
 地域の基幹産業である農業では、安全で質の高い食料を効率的かつ安定的に生産するため、国営かんがい排水事業や国営農地防災事業等により空知川頭首工など基幹的な農業水利施設の整備を進めるとともに、施設の長寿命化を図るための機能保全対策にも取り組んでおり、今年度は当麻永山用水地区で新規に事業着手する予定です。また、ほ場の大区画化や排水改良等を一体的に進める国営農地再編整備事業についても、富良野盆地地区など実施地区の事業促進に加え、北野地区の新規事業着手を目指すとともに、新たな実施要望に応えるべく愛別地区などの継続調査に加えて旭東地区の新規調査を目指しています。
 道路事業では、地域生活や社会経済活動の基盤強化を図るため、北海道の幹線道路網の骨格として北海道縦貫自動車道「士別剣淵〜名寄」の整備を進める一方、道北圏の大動脈である一般国道40号において、「音威子府バイパス」、「美深道路」を推進しています。このうち、「美深道路」は平成24年度の供用を予定しております。さらに、北海道縦貫自動車道と北海道横断自動車道を接続する旭川十勝道路の一部区間として、市街部の交通混雑、交通事故の低減等を目的に「富良野道路」、「富良野北道路」の整備を推進しています。
 また、管内全路線の除雪を含む維持管理を始め、安全・安心な道路確保のための防災対策、交通事故防止・渋滞緩和のための交通安全対策、橋梁やトンネルなどの道路構造物の老朽化対策などを着実に進めています。
 さらに、治水事業では、石狩川上流において旭川市街部の流下能力向上のため本川の河道掘削、辺別川の河岸浸食対策を実施しています。天塩川上流では美深地区を中心とした河道掘削及び堤防整備等を実施し美深市街部の流下能力の向上を図っています。
 砂防事業では、堰堤の改築及び除石を行い十勝岳の火山噴火対策や土砂災害防止の取組を進めています。
 また、ダム事業の検証中であったサンルダムについては、昨年11月に国土交通大臣が継続が妥当との対応方針を決定しました。今後順次、工事用道路、掘削、本体工事に着手するとともに、各種調査を実施して参ります。
 今後とも、地域の資源や特性を活かし、北海道及び上川地域の発展を図れるよう、地方自治体、民間企業、地域住民、NPOなど多様な機関の皆様と力を合わせて参ります。
 最後になりましたが、皆様のご健勝と益々のご活躍を心から祈念し、新年のご挨拶といたします。