建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2013年2月号〉

年頭所感

広域交通ネットワーク整備や防災対策強化で
地域の活性化と安全・安心な暮らしを守る

国土交通省 北海道開発局
函館開発建設部 部長 高橋 敏彦

 新年明けましておめでとうございます。
 平成25年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。
 皆様には日頃から函館開発建設部の施策推進に特段のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、2月の降雪により道南各地では観測史上最高の積雪を記録し、住民生活に大きな影響をもたらしました。当部が管理する後志利別川では、4月に急激な雪解けにより大規模な斜面崩落が発生しました。この災害では、職員や建設業の方々が24時間体制で大きな力を発揮していただき、改めて地域の安全・安心にその存在が必要不可欠であることを実感したところです。3月には、函館・江差自動車道の北斗富川IC〜北斗茂辺地IC間、国道278号尾札部道路の道道臼尻豊崎線までが開通し、函館港では10月に耐震強化岸壁工事の着工式を執り行いました。11月には、北海道縦貫自動車道の大沼公園ICまでが開通したところです。
 また、北海道新幹線の函館までの開業が間近に迫る中、札幌延伸の着工が決まり、8月には長万部で着工式が行われるなど、道南地域の新たな発展と活性化が期待されているところです。
函館は、国際観光都市ですが、震災直後から続いた観光客の大幅な減少などが回復し、特に夏以降は好調に推移していることは、喜ばしいことです。
 ここで今年度の当部の事業を説明させていただきます。
 日本一の清流、後志利別川では、水災害のない安全・安心で豊かな自然を活かした活力ある魅力的な地域づくりを目指し、洪水対策や地震津波対策を進めます。
 道路関係では、今春、国道278号鹿部道路全線が開通し、函館・江差自動車道では津波発生時の緊急避難施設が完成します。今後も北海道縦貫自動車道、函館・江差自動車道、函館新外環状道路など広域交通ネットワークを整備し、広域周遊型観光の促進、豊かな農水産品の物流効率化、高次医療施設が集中する函館へのアクセス向上を図ります。
 港湾関係では、函館港の耐震岸壁整備など、管内6港において国内外とのネットワーク機能の強化、地域経済の活性化、安全・安心な暮らしを支える港湾整備を進めます。空港関係では、函館空港の老朽化した誘導路の改良や空港地下トンネルの耐震補強の検討を進めます。
 農業関係では、大野平野地区において、生産性向上と経営安定を目指し、老朽化した施設の改修を進めます。今金地区では、区画整理を柱とした農地再編整備事業の着手に向けた調査を進めます。水産関係では、管内9港において安全・安心な水産物の供給や活力ある漁村づくりを支える漁港整備を進めます。
 当部では、景気の下支えとなるよう工事の早期発注を進め、第1四半期で前年比約2.4倍の契約額となりました。また、昨年設置した「官民パートナーシップ会議」での成果を着実に実施し、継続的に検討・検証するなど、効果的な事業推進と低廉で良質な社会資本整備を進めていきます。
 今後とも地域の皆様のご理解とご協力をいただきながら、安全で安心な暮らしと地域の活性化に向けて、職員一丸となり事業を推進していく所存でおります。
 最後に、皆様の益々のご健勝とご多幸を心からご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。


高橋 敏彦 たかはし・としひこ
昭和36年1月15日生 北海道出身
昭和58年 3月 北海道大学工学部卒
上級甲種(土木)
昭和58年 4月 建設省近畿地方建設局企画部企画課採用
平成 2年 4月  同 四国地方建設局徳島工事事務所調査第二課長
平成 4年 4月  同 四国地方建設局企画部企画課長
平成 6年 7月 通商産業省基礎産業局非鉄金属課長補佐(金属班長)
平成 8年 4月 建設省大臣官房政策課計画官
平成 9年 7月  同 近畿地方建設局奈良国道工事事務所長
平成11年10月  同 大臣官房人事課建設専門官(大臣官房監察官併任)
平成12年 4月 日本道路公団副参事本社調査役(有料道路計画課付)
平成13年 5月 国土交通省国土技術政策総合研究所道路研究部道路研究室主任研究官
平成15年 1月 福岡県土木部副理事(土木部土木管理課)
平成17年 4月 国土交通省大臣官房付(国際建設技術研究所)
平成19年 4月  同 関東地方整備局道路部道路企画官
平成20年 4月  同 中部地方整備局名古屋国道事務所長
平成23年 7月  同 北海道開発局函館開発建設部長
 

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