寄稿シリーズ 現場代理人の目 建設現場の最前線から〜北海道建設部 稚内建設管理部編 建設現場は現場代理人をトップに、多くの作業員、重機オペレーターらが、専門的知識と技能をフルに発揮する技術者たちの晴れ舞台でもある。だが、現場は常に平坦な場所とは限らず、寒風吹き荒れる野ざらしの現場や、目のくらむ高所や陽光の届かない地下、坑内の場合もあり、危険も伴うために一般者が立ち入ることは出来ない聖域だ。そうした人目から隔離された建設現場の様子を、最前線で陣頭指揮にあたる現場代理人の寄稿を通じて紹介する。
稚内建設管理部
豊富浜頓別線 交付金(雪寒)工事(一括)
道道豊富浜頓別線は稚内市より南に位置する豊富町国道40号線より同管内オホーツク海側の浜頓別町国道238号線までの猿払村を経由する幹線道路です。
施工中に於いては車両の通行も多く、当該工事施工に於いて懸念される一般車輌を巻き込んだ災害、通行車輌に支障を来す施工、工事従事者に関わる災害発生のないよう、冬期の厳しい季節に向けて、最善、最短、無災害を目標に工事従事者全員にて工事完成を目指し、努力しているところであります。
音標漁港水産生産基盤整備工事
工事内容はすでに施工されてある基礎捨石の上に水中コンクリート、上部コンクリートを施工し、その周囲を被覆ブロック、根固めブロック、消波ブロックで覆う形状となります。 外海からの波浪を防ぎ港内を静穏に保ち、漁港を利用する漁業者が安心して使用できる漁港になるように確実な施工に邁進しています。
雄忠志内川砂防工事(債務)
施工は既存の砂防堰堤を区画内スパンごとに、ワイヤーソイングで切断しバースターにて分割し根固めブロックに流用し、スリットT型設置により土砂補促機能の向上を図り恒常的な土砂流出防止により災害発生を未然に防ぎ地域経済の安定を保つ事を目的としています。 施工箇所は山間部により非常に厳しい作業環境にありますが早期完了と共に無事故、無災害にて地域の発展に貢献できる様工事完成を目指します。
沓形仙法志鴛泊線 交付金(地方道)工事(一括)(路盤工)(久連工区)
工事施工箇所は利尻島の南西部に位置し現場周辺の海岸は湾曲した地形により波が集中しやすい場所であり、波の勢いが強くなる傾向にあります。その為、道路基面高が低い事から年に1度の割合で越波による通行止めを余儀なくされてきました。
アフトロマナイ川砂防工事(全国防災)
このため、平成5年から導流堤6基と根固め工17基を建設する本格的な砂防工事に着手し、本工事では1番最初に土石流が向かってくる最上流部の6号導流堤左右岸の建設を行います。現在は準備工がほぼ終わり自走式土質改良機を搬入し、これから本格的な施工が始まりますが、協力会社と一丸となって、無事故・無災害の完工をめざしています。
目梨泊漁港水産生産基盤整備工事
この工事は、漁港内の静穏性向上と防災機能強化を目的に既設の外防波堤を延長する工事です。 施工個所の水深は最大約-12.0mあり、本体構造は-5.5mまで基礎捨石を施工し、水中コンクリート(2段打ち)、上部コンクリート(2段打ち)を施工後、消波工として堤幹部は50t型ブロック、堤頭部は80t型ブロックを据付ます。 施工場所は北や北東からの風が吹くと波立つ個所で有り、天候の変化に特に注意して施工となりました。 また工事期間中は施工の安全上、漁船が施工個所付近を大きく迂回をして頂く事になり、地元漁業者の方には大変不便をお掛け致しましたが、ご理解とご協力を賜り感謝いたしております。 この事業は、平成19年度から施工しており既設防波堤を80m延長し今年度で完成いたしますが、目梨泊漁港利用者から漁港内の静穏度が良くなったと喜ばれております。
大空川砂防工事
今年度で最終年を迎え、工期は平成24年8月1日〜平成25年3月11日となっています。 本工事は、大空川砂防ダムの前庭保護工の改良及び除石工を主体とし、完成時には堤長L=55.0m、堤高H=4.0mの砂防となります。 また、下流にある漁場では、全国的に有名な利尻昆布の養殖場があり、土砂流出による漁業被害及び民家への被害から守ることが工事の最終目的であり、砂防の役割と認識しています。 本工事も中盤に差し掛かり、現場周辺の民家の方々や付近を通行する一般車両にご迷惑をお掛けしますが、工事完成まで無事故無災害の施工と、自然豊かな利尻町の環境に配慮した施工を進めていきたいと思います。
乙忠部漁港水産生産基盤整備工事
乙忠部漁港は、オホーツク海ホタテけた引き漁の他、秋サケ定置漁・ホタテ稚貝の養殖など漁業が盛んに行われています。このため、漁船の大型化等に対応するべく漁港の拡張整備工事を近年行ってきてました。そして、本年度の施工にて完成港となります。 工事内容は既設船揚場及び、北護岸を取壊し、拡幅して-3.0m岸壁として延長145m新設し、背後に用地4500m2、道路171mを造成します。施工箇所の一部は漁業車両及び一般車両等が通行路として使用しているため、安全・環境に配慮した施工計画を組立て、道路の切換えしや安全通路・立入禁止措置等安全管理の徹底を図り、その他、水中土砂掘削時の海面濁りによる漁業への悪影響を防止するため、汚濁防止フェンスの設置等環境面に配慮した施工を心がけてきました。 11月現在の進捗は漁業関係者のご協力もあって90%まで完成しております。工事は終盤を迎えていますが、気を抜くことなく無事故・無災害で完成するべく努力していきます。
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