建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年12月号〉

寄稿シリーズ 現場代理人の目

建設現場の最前線から〜北海道建設部 稚内建設管理部編




 建設現場は現場代理人をトップに、多くの作業員、重機オペレーターらが、専門的知識と技能をフルに発揮する技術者たちの晴れ舞台でもある。だが、現場は常に平坦な場所とは限らず、寒風吹き荒れる野ざらしの現場や、目のくらむ高所や陽光の届かない地下、坑内の場合もあり、危険も伴うために一般者が立ち入ることは出来ない聖域だ。そうした人目から隔離された建設現場の様子を、最前線で陣頭指揮にあたる現場代理人の寄稿を通じて紹介する。

稚内建設管理部


●豊富浜頓別線 交付金(雪寒)工事(一括)
  錦・三和経常建設共同企業体 現場代理人 野田 真澄

●音標漁港水産生産基盤整備工事
  ササキ・草別経常建設共同企業体 現場代理人 堀 英志

●雄忠志内川砂防工事(債務)
  佐藤組・寺沢・三洋経常建設共同企業体 現場代理人 武田 省悟

●沓形仙法志鴛泊線 交付金(地方道)工事(一括)(路盤工)(久連工区)
  石塚・新谷経常建設共同企業体 現場代理人 多賀 大輔

●アフトロマナイ川砂防工事(全国防災)
  田中建設株式会社 現場代理人 西森 宗雄

●目梨泊漁港水産生産基盤整備工事
  安田・丹羽・渡辺特定建設工事共同企業体 現場代理人 豊村 仁

●大空川砂防工事
  早坂・北武・道北土建経常建設共同企業体 現場代理人 葛西 智和

●乙忠部漁港水産生産基盤整備工事
  丹羽建設株式会社 現場代理人 山田 正治



豊富浜頓別線 交付金(雪寒)工事(一括)

錦・三和経常建設共同企業体
現場代理人 野田 真澄

 道道豊富浜頓別線は稚内市より南に位置する豊富町国道40号線より同管内オホーツク海側の浜頓別町国道238号線までの猿払村を経由する幹線道路です。
 この周辺地域では酪農業、水産業を主としており、当該路線も地産品の輸送路としての役割も大きいと思われます。当管内では唯一の日本海とオホーツク海を結ぶ最短ルートです。
 私達企業体が施工している工事は宗谷総合振興局稚内建設管理部発注による道路改良工事で、当該路線のほぼ中間点にて施工を行っております。
 現況の道路幅員は路肩も含め6.0m弱と幅員も狭小である事で大型車同士の往来に支障を来す事になっているのが現状であります。拡幅改良工事が進み、計画車道有効幅員が8.0mとなると、大型車の通行にも十分な余裕があると思われます。
 当工事の主要工種は路盤工 延長=540m 路盤幅=8.50m、工事施工区間中間位置にボックスカルバート工、転落防止対策に防護柵工(ガードケーブル、ガードレール)、夜間及び冬期に視程を確保する大型視線誘導柱の設置等、車輌通行に必要な工種施工を行っております。
 施工中に於いては車両の通行も多く、当該工事施工に於いて懸念される一般車輌を巻き込んだ災害、通行車輌に支障を来す施工、工事従事者に関わる災害発生のないよう、冬期の厳しい季節に向けて、最善、最短、無災害を目標に工事従事者全員にて工事完成を目指し、努力しているところであります。


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音標漁港水産生産基盤整備工事

ササキ・草別経常建設共同企業体
現場代理人 堀 英志

 私たちは音標漁港水産生産基盤整備工事を担当しております。  この工事は北海道を代表する毛ガニやサケ・マスの生産地である枝幸郡枝幸町音標漁港の外防波堤新設工事であり、工期が平成24年9月5日から平成25年3月21日までとなっております。
 工事内容はすでに施工されてある基礎捨石の上に水中コンクリート、上部コンクリートを施工し、その周囲を被覆ブロック、根固めブロック、消波ブロックで覆う形状となります。
 外海からの波浪を防ぎ港内を静穏に保ち、漁港を利用する漁業者が安心して使用できる漁港になるように確実な施工に邁進しています。


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雄忠志内川砂防工事(債務)

佐藤組・寺沢・三洋経常建設共同企業体
現場代理人 武田 省悟

 当工事は利尻山山腹より集中豪雨により雄忠志内川に土石流が多量に流れ河道部から土砂の海岸への流出で甚大な被害の発生による漁業資源・地域住民の生命、財産を守りライフラインを確保するための砂防設備の改修工事です。
 施工は既存の砂防堰堤を区画内スパンごとに、ワイヤーソイングで切断しバースターにて分割し根固めブロックに流用し、スリットT型設置により土砂補促機能の向上を図り恒常的な土砂流出防止により災害発生を未然に防ぎ地域経済の安定を保つ事を目的としています。
 施工箇所は山間部により非常に厳しい作業環境にありますが早期完了と共に無事故、無災害にて地域の発展に貢献できる様工事完成を目指します。

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沓形仙法志鴛泊線 交付金(地方道)工事(一括)(路盤工)(久連工区)

石塚・新谷経常建設共同企業体
現場代理人 多賀 大輔

 工事施工箇所は利尻島の南西部に位置し現場周辺の海岸は湾曲した地形により波が集中しやすい場所であり、波の勢いが強くなる傾向にあります。その為、道路基面高が低い事から年に1度の割合で越波による通行止めを余儀なくされてきました。
 また当該箇所は平成16年9月8日の台風18号上陸に伴い、越波により既設海岸擁壁の一部が洗堀され、高波により打ち上げられた玉石により、防護柵の破損及び道路浸水等の被災を受け越波が収まるまで全面通行止めとなった。
 本工事はこの災害及び地元からの越波に対する早期対策を強く要望された事を受け、稚内建設管理部により、既設海岸擁壁天端高及び道路嵩上げを平均約2m高くする事業整備区間であります。
 今年度は事業の最終年度にあたり、道路の嵩上げを行う工事です。
 施工中は片側交互通行の規制を行いながらの施工で、第三者災害に留意し、また盛土を行うにあたり、材料の確保及び締固め度など品質管理に重点をおき、また早期工事終了による冬期施工を避けるよう、工程管理などをしっかり行い発注者と施工者が協力しあい、より良い品質の提供と社会資本の整備を行うことにより、地域の発展に寄与するとともに、無災害で事業終了を目指し工事完成を迎えたいと思います。


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アフトロマナイ川砂防工事(全国防災)

田中建設株式会社
現場代理人 西森 宗雄

 本工事は、北海道利尻富士町アフトロマナイ川における砂防工事(6号導流堤)です。利尻島では利尻山(利尻富士)周辺の谷間で土石流が多く発生しており、アフトロマナイ川では、平成元年と平成2年の集中豪雨で土石流が発生し、利尻島東部地域で甚大な漁業被害をあたえました。
 このため、平成5年から導流堤6基と根固め工17基を建設する本格的な砂防工事に着手し、本工事では1番最初に土石流が向かってくる最上流部の6号導流堤左右岸の建設を行います。現在は準備工がほぼ終わり自走式土質改良機を搬入し、これから本格的な施工が始まりますが、協力会社と一丸となって、無事故・無災害の完工をめざしています。



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目梨泊漁港水産生産基盤整備工事

安田・丹羽・渡辺特定建設工事共同企業体
現場代理人 豊村 仁

 私は、目梨泊漁港水産生産基盤整備工事を担当しています。
 この工事は、漁港内の静穏性向上と防災機能強化を目的に既設の外防波堤を延長する工事です。
 施工個所の水深は最大約-12.0mあり、本体構造は-5.5mまで基礎捨石を施工し、水中コンクリート(2段打ち)、上部コンクリート(2段打ち)を施工後、消波工として堤幹部は50t型ブロック、堤頭部は80t型ブロックを据付ます。
 施工場所は北や北東からの風が吹くと波立つ個所で有り、天候の変化に特に注意して施工となりました。
 また工事期間中は施工の安全上、漁船が施工個所付近を大きく迂回をして頂く事になり、地元漁業者の方には大変不便をお掛け致しましたが、ご理解とご協力を賜り感謝いたしております。
 この事業は、平成19年度から施工しており既設防波堤を80m延長し今年度で完成いたしますが、目梨泊漁港利用者から漁港内の静穏度が良くなったと喜ばれております。


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大空川砂防工事

早坂・北武・道北土建経常建設共同企業体
現場代理人 葛西 智和

 当現場は、利尻町の西側、沓形字長浜大空川で稚内建設管理部発注の砂防工事を施工しています。平成19年度に砂防工事として、本格的に着手されました。
 今年度で最終年を迎え、工期は平成24年8月1日〜平成25年3月11日となっています。
本工事は、大空川砂防ダムの前庭保護工の改良及び除石工を主体とし、完成時には堤長L=55.0m、堤高H=4.0mの砂防となります。
 また、下流にある漁場では、全国的に有名な利尻昆布の養殖場があり、土砂流出による漁業被害及び民家への被害から守ることが工事の最終目的であり、砂防の役割と認識しています。
 本工事も中盤に差し掛かり、現場周辺の民家の方々や付近を通行する一般車両にご迷惑をお掛けしますが、工事完成まで無事故無災害の施工と、自然豊かな利尻町の環境に配慮した施工を進めていきたいと思います。


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乙忠部漁港水産生産基盤整備工事

丹羽建設株式会社
現場代理人 山田 正治

 私たちは、平成24年度乙忠部漁港水産生産基盤整備工事を担当しています。
 乙忠部漁港は、オホーツク海ホタテけた引き漁の他、秋サケ定置漁・ホタテ稚貝の養殖など漁業が盛んに行われています。このため、漁船の大型化等に対応するべく漁港の拡張整備工事を近年行ってきてました。そして、本年度の施工にて完成港となります。
 工事内容は既設船揚場及び、北護岸を取壊し、拡幅して-3.0m岸壁として延長145m新設し、背後に用地4500m2、道路171mを造成します。施工箇所の一部は漁業車両及び一般車両等が通行路として使用しているため、安全・環境に配慮した施工計画を組立て、道路の切換えしや安全通路・立入禁止措置等安全管理の徹底を図り、その他、水中土砂掘削時の海面濁りによる漁業への悪影響を防止するため、汚濁防止フェンスの設置等環境面に配慮した施工を心がけてきました。
 11月現在の進捗は漁業関係者のご協力もあって90%まで完成しております。工事は終盤を迎えていますが、気を抜くことなく無事故・無災害で完成するべく努力していきます。


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