建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年10月号〉

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地場産材と自然素材を活用、生徒に心地よい“木の学舎”

── 「豊かな学力」「思いやる心」「生きる力」の創出を基本に

足寄町 足寄中学校校舎改築工事

▲外観完成イメージ

建設の経緯
 豊かな森林資源に恵まれ、美しい自然景観につつまれた市街地に位置する足寄中学校は、昭和34年に最初は木造建築として建設され、その後昭和60年まで増改築を繰り返し現在に至った。
 近年多発する地震災害等から子ども達を守る安心・安全な学舎、施設の耐震、耐久化が求められていた。その中で、平成21年度に校舎耐力度調査を行った。結果、校舎の老朽化もあり耐力的に限界があることが判明し、校舎建て替え事業を進めることになった。平成21年度より屋体改築工事を行い、現在は校舎の建替を進めている。
施設特徴と基本コンセプト
 建設にあたり@地域のシンボルとなる校舎A環境に優しい校舎BITの進化に対応した校舎C協調性を養う学舎―を念頭に「豊かな学力」「思いやる心」「生きる力」を創出する学校づくりを基本コンセプトとした。
 施設の特徴は、足寄町の豊かな森林資源を活用し、構造材や内装材は地場産材のカラマツを使用、外壁には十勝の土で焼いたレンガを使用する。また、中庭は吹き抜けの多目的ホールと隣接することで生徒の気持ちのゆとりと心地よい空間を創る。今後は太陽光発電設備も取り入れる予定でクリーンな“木の校舎”が誕生する。
施設計画
 平面計画では中庭を中心に四方を教室が囲み、風の通る・風を感じる建物とし採光面も配慮した。
 また、1階は供用スペースと職員室を一体的で開放的な空間とし生徒と教師の距離感を無くする工夫をした。外壁面を少なくし2重サッシや外断熱を取り入れ高断熱高気密化に対応し、床暖との併用で冬暖かく、夏涼しい快適な施設とする。
 設備面ではオール電化を採用、厳寒期の床暖や給湯の対応をすることで機械室レスの環境に優しい設備とした。




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