建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年8月号〉

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教育内容・教育方針等の多様化に対応できる弾力的な学校づくり

―― 地域開放と活用など、開かれた学校づくりのための施設

新得町 新得中学校校舎改築工事

▲外観完成イメージ

建設の経緯
 新得中学校は、昭和22年5月1日、新しい学校教育法の施工に伴い6・3制の新得中学校が設立された。
 無からのスタートとあってはじめは、新得小学校屋内運動場と旧新得青年学校校舎を仮校舎にして、7学級251人による生徒で発足した。旧校舎の建設は昭和23年9月から3ヶ年で実施し昭和25年に竣工し、その後、老朽化が進み現校舎の建設が昭和45年6月、陸上自衛隊施設大隊の協力を得て校庭の整地を行い、昭和46年から3ヶ年計画により校舎の建築が実施されることとなった。現校舎の規模は、RC造3階建、延べ床面積3,096uである。
 現校舎がすでに建設から40年以上経過し老朽化が進み平成17に耐力度調査を行い危険と判断、今回の改築事業に至った。本事業は、3ケ年計画の実施予定で24年度は校舎改築、25年度に屋体改築、26年度に外構整備を予定している。
整備趣旨・設計
 平面計画は安全性や使いやすさを検討した結果、従来型の一線校舎を採用。特徴的な部分はすくないが、生徒、教師の使いやすさを重視した平面計画としている。イニシャルコストの面でも、形を単純化することで低減を図る。
 各学年1クラスと小規模校であるが小規模校ならでわの「ゆとり」を追求し、エントランスホール部分にゆとりの空間を配置しそこから新得山を望むことができる。また、ワークスペースとして様々な利用が可能となり生徒達の創造性を育てる場となる。
 特徴の一つには、高断熱とし、断熱構造は外断熱とする。また、サッシは二重窓にすることで従来型の暖房システムでもランニングコストの低減を十分に発揮できる。
 二階廊下には、二ヶ所のハイサイドライトを設け自然採光を取り入れ日中でも照明が不要になる。
 建設地は自然豊かな郊外にある為、外壁は十勝産の土で焼き上げた煉瓦積を採用し周りの環境にも溶け込むよう配慮している。
 ユニバーサルデザインを取り入れエレベータの設置やバリアフリー、オストメイト等、誰にでもやさしい学校となっている。
 校舎の新築工事は平成25年2月竣工を目指して工事を進めている。
▲内観完成イメージ

施設面での特徴
 新得町の学校教育推進の目標である
@意欲と個性を伸ばす教育の推進
A豊かな心や社会性を育む教育の推進
B特色ある学校づくり
 の推進をより充実させるため、教育内容・教育方針等の多様化に対応した多機能で、時代変化に弾力的に対応できるよう多目的教室の設置、学校施設・機能の地域への開放と活用など、開かれた学校づくり。会議室やエントランススペース等の設置また、出来る限り化石燃料を使用しないような外断熱工法を取り入れ地域材をできるかぎり内装建材に使用し、校舎を利用した環境・省エネルギー教育や地場産業に関する教育を進める。






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