建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年7月号〉

連載企画

宮城県の公共建築物の復旧状況 〜東日本大震災から復興に向けて

── 宮城県総合プール・宮城県合宿所の被害と復旧

宮城県総合プール

 宮城県総合プールは平成7年に完成したもので、鉄筋コンクリート造、地上3階地下1階構造、面積1万4764uの施設。メインプールは50mと25mが各8コース。水深可動床4分割、対応競技種目は競泳、水球、シンクロナイズドスイミング。飛び込み公認プールは25mで、水深は4〜5.1m。飛び込み台は10m台が1基、7.5m台1基、5m台1基、3m板2基、1m板2基。
 東北大震災による被害状況は、飛び込みプールの内床に剥がれ、割れが生じ、飛び込み台はクラックや欠損が生じた。廊下や25mプールは内壁にクラックが生じ、メインプールは欠損による剥離が生じた。プール客席では壁が欠損または落下した。
 天井部はホール、ロビー、廊下、プール客席で落下。また特にロビー、プール客席、メインプールでは、破損により天井がぶら下がる状態となった。さらにプール客席では吸音板が落下して破損し、メインプールでは軽量鉄骨の天井下地が外れた。
 床は施設南側外部で65mmの段差が生じた。東側外部でクラックや20mmから80mmに及ぶ段差が生じた。敷地内の遊歩道では、20mmから50mmに渡る縁石の破損や50mmの舗床沈下が発生。広場階段ではクラックや欠損が発生した。


宮城県合宿所

 宮城県合宿所は平成9年に建築された、鉄筋コンクリート造で一部鉄骨、3階建て構造で、延べ床面積3,289u、収容人員は196名の規模。身障者も利用しやすいバリアフリー対応となっている。
 被害状況は、機械室で基礎が破壊、特別指導員室や普通指導員室、合宿室で天井割れ、施設外壁と中庭外壁南面、外壁南面で剥離、廊下はスチール片開きドアの建具が損傷し、動作不良となっている。

被災状況





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