建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年6月号〉

副局長寄稿 釧路総合振興局・根室振興局


農業水産輸送、観光アクセスの幹線交通網確保と環境に配慮した社会基盤整備

 釧路総合振興局・根室振興局

 副局長 菊地 隆
 きくち・たかし
 昭和30年7月1日生
 昭和51年4月 北海道職員採用
 昭和51年4月 小樽土木現業所
 昭和62年8月 土木部道路課
 平成 4年4月 函館土木現業所八雲出張所道路係長
 平成 6年4月 札幌土木現業所岩見沢出張所維持係長
 平成 8年4月 帯広土木現業所事業部事業第二課道路第二係長
 平成10年4月 網走土木現業所事業部治水課防災係長
 平成12年4月 建設部都市環境課主査
 平成13年4月 建設部道路整備課道路維持係長
 平成16年4月 帯広土木現業所事業部道路建設課長
 平成19年6月 建設部土木局道路課主幹
 平成20年4月 網走土木現業所事業部長
 平成22年4月 建設部土木局道路課高速道・市町村道担当課長
 平成23年6月 釧路総合振興局副局長(兼ねて根室振興局副局長)

 釧根地域は、阿寒や釧路湿原などの国立公園と野付・風蓮、厚岸の道立自然公園、さらには、知床世界自然遺産の指定を受けており、北海道の中でも雄大な自然環境を有する地域である。
 釧路建設管理部では、このすぐれた地域特性を生かし、管内の振興を図るため、環境や景観に配慮しながら社会基盤の整備を進めている。

■道路事業
 地域住民の暮らしや産業の活性化を図る上で最も基本的な社会基盤の一つに位置付けられる。当部では、農水産物の輸送、観光アクセスや緊急輸送ルートの確保のため幹線交通ネットワーク整備を重点的に実施しているほか、地域の様々なニーズに対応した道路整備を進めている。
 道路改良事業では、釧根トライアングル構想の一翼を担う地域高規格道路・根室中標津線で、別海工区(L=6.3km)の完成を図る予定。

 また、世界自然遺産「知床」の玄関口である羅臼町市街地と、知床岬への最終中継地である羅臼町相泊地区を結ぶ唯一の道路として、知床公園羅臼線の整備を集中的に実施しており、越波・落石対策としてトンネル工事が2年目となり掘削を開始する。
 釧路市と鶴居村を結ぶ釧路鶴居弟子屈線では、「安全で安心な道づくり」を目指し、旭跨線橋の補修工事を継続する予定である。
■街路事業
 安全で円滑な交通と歩行者空間の環境改善を図るため中標津町の3・4・14号西町通の拡幅工事を実施する予定である。
 近年、ゲリラ的な集中豪雨や台風の発生など異常気象により、水害や土砂災害が頻発しており、住民の生命や財産を守りだれもが安心して暮らせる地域をつくるために、防災・減災の観点から国土保全施設の整備を進めている。

▲知床公園羅臼線(B改-474)交付金工事2工区 ▲釧路川広域河川改修工事

■河川事業
 平成21年に豪雨災害を受けた阿寒川で浸水対策のための河道拡幅を実施するほか、久著呂川において河道安定化対策として帯工・護岸工の実施を予定している。
 釧路川では、護岸工などの治水対策を進め、市民や観光客の憩いの場となる河川空間の整備を進める。
 また、道州制特区推進法に基づき、国から委譲された標津川では、築堤工及びサーモン橋(L=183.4m)の上部工製作を実施する予定。
■砂防事業
 平成21年に氾濫した土石流危険渓流のオビラシケ2の沢川で整備を進めるほか、常時観測火山の一つである雌阿寒岳の火山噴火警戒避難対策事業を引き続き実施する予定である。
 また、急傾斜地崩壊防止事業を、根室浜松で引き続き実施する予定となっている。
■建設海岸事業
 高潮・波浪による海岸侵食や決壊などから国土を保全するために、野付崎海岸において、引き続き侵食対策事業を実施する予定であり、白糠海岸では耐震対策として護岸の整備を実施する予定である。
 また、越波被害の防止のため峯浜町海岸で護岸の整備に着手する予定である。
■漁港事業
 地域の主力産業である水産業の核となる漁港の整備を進めるため、標津漁港や尾岱沼漁港では、屋根付岸壁施設などの衛生管理型漁港の整備を進める予定である。
 老朽化の進む昆布森漁港では機能の低下した箇所の保全整備を行う予定である。
■漁港海岸事業
 漁港区域の海岸を侵食や高潮から守るため、標津漁港海岸で侵食対策として人工リーフを引き続き整備する予定であり、厚岸漁港海岸では耐震対策として護岸の整備を実施する予定である。
 また、越波被害の防止のため松法海岸で護岸の整備に着手する予定である。

▲標津漁港水産生産基盤整備工事2工区 ▲白糠海岸(刺牛)高潮対策工事(道州)



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