建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年6月号〉

副局長寄稿 上川総合振興局


上川の自然や観光資源を活かし、地域の安心・安全と発展に取り組む

 上川総合振興局

 副局長 矢野 明夫
 やの・あきお
 昭和31年 4月 9日生まれ  函館市出身
 昭和55年 3月 北海道大学卒業
 平成19年 6月 室蘭土木現業所 事業部長
 平成21年 4月 北海道開発局 事業振興部 防災課長
 平成23年 4月 建設部 土木局 砂防災害課長
 平成23年 6月 現職

はじめに

 旭川建設管理部における、平成24年度事業予算は、160億8千1百万円(平成23年度からの繰越分、全国枠分交付金の推計値を含む)となりました。
 このうち、公共事業については、道路事業と街路事業の合計で79億3千2百万円、治水事業は、58億2千4百万円、また、単独事業については、道路・河川・砂防事業を合わせ23億2千5百万円となっています。
 事業の執行にあたっては、選択と集中の観点に立ち、地域の方々の安全で安心な暮らしを支えるとともに、この上川の自然や観光資源を活かし、地域の連携、発展を強化するための社会資本整備を進めます。

平成24年度の重点事業・取組について

■道路・街路事業
 地域の発展の基盤となる幹線ネットワークの形成に向け、観光、農林業の活性化や圏域間交流の促進のため、高規格幹線道路と一体となった幹線道路ネットワークの整備の推進として、旭川十勝道路の一部となる地域高規格道路「旭川東神楽道路(鷹栖東神楽線)」の環境アセスメントや都市計画決定の手続きを進めます。
 また、旭川十勝道路の一部をなす「富良野北道路」の整備にあわせ、開通後中富良野ICと国道237号のアクセスルートとなる、上富良野中富良野線について整備を推進します。
 持続可能で活力ある地域社会の形成に向け、都市交通の円滑化を図るための環状・放射道路の整備として鷹栖東神楽線の事業推進、渋滞対策として3・3・7旭町通や3・3・8金星橋通などの事業を、中心市街地の活性化など、まちづくり支援事業として3・4・8東2丁目通(立体交差・上川町)などの整備を推進します。

 地域連携強化、都市と農山村の交流・共生を促進するネットワークの整備として、鷹栖東鷹栖比布線、旭川幌加内線などの整備を、農産物などの地域内物流ルートの整備として瑞穂旭川停車場線、天人峡美瑛線(美進橋、橋梁架換)などの整備を推進します。
 災害に強く安全性の高い道路整備に向け、耐震対策として士別滝の上線(岩尾内大橋)、愛別当麻旭川線(愛別橋)などの整備を、冬期における安全で快適な道路交通の確保のため、吹雪対策箇所の整備として下川風連線(防雪柵)の整備を推進するとともに、冬期交通不能区間の解消のために鷹栖江丹別線の整備を推進します。
 豊かな自然を生かした観光立国の実現に向け、広域観光ルートの整備として愛別当麻旭川線(当麻町市街地)、上富良野旭中富良野線の整備を、観光拠点へのアクセスルートとして朱鞠内風連線(朱鞠内湖)、奈江富良野線(観光ガーデンなど)、吹上上富良野線(十勝岳温泉)、麓郷山部停車場線(麓郷の森)などの整備を推進します。

▲3・4・8東2丁目通交付金工事(上部工)(債務) ▲富良野上川線特定交付金工事2工区(繰越)

■河川事業
 洪水から地域住民の人命や財産を守る治水対策として、地域の浸水被害を軽減し安全性を高めるため、牛朱別川(旭川市外)・ポン川(旭川市・東神楽町)・雨竜川(幌加内町)・比布川(比布町)・富良野川(富良野市外)・剣淵川(剣淵町外)・豊栄川(名寄市)などで事業を推進します。
 自然環境の保全を図り、水と緑豊かな「生きている川づくり」として、生物の良好な生息環境を保全・創出するための川づくりや、周辺の景観や地域整備と一体となった河川整備を推進します。
■砂防事業
 十勝岳周辺地域における砂防設備と監視観測体制の整備を図ることとし、土石流や十勝岳噴火に伴う火山泥流対策として富良野川の5号砂防えん堤工、布部川、ヌッカクシ富良野川などにおける砂防工事を推進するとともに、十勝岳の噴火警戒避難に資するため、「十勝岳火山噴火警戒避難対策事業」により、火山噴火に伴う泥流からの減災を図るため、監視機器等の整備を推進します。
 土石流などから地域住民の人命や財産を守る砂防設備の整備を、辺別川(美瑛町)、新田中の沢川(中富良野町)・温根別小学校裏の沢川(士別市)・落合1の沢川(南富良野町)などで整備を推進します。
 がけ崩れによる人命や家屋などの施設への被害を防止するため、旭川神岡3において急傾斜地崩壊対策事業を推進します。

▲富良野川改修工事中富良野地区(繰越)



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