建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年6月号〉

副局長寄稿 胆振総合振興局・日高振興局


幅広い産業・地域の特性を生かし、活力ある社会の実現を目指す

 胆振総合振興局(建設管理部担当) 兼 日高振興局

 副局長 中西 由一
 なかにし・ゆういち
 出身地 新十津川町
 北海道大学工学部 卒業
 昭和55年4月 北海道庁採用(室蘭土木現業所)
 平成16年4月 建設部土木局砂防災害課主幹
 平成19年6月 旭川土木現業所事業部長
 平成21年4月 企業局発電課長
 平成23年6月 現職

1.管内の概要

 当建設管理部の所管区域は、胆振・日高管内の4市14町で構成され、面積は8,510km2で北海道の約10%、人口は約492千人で約9%を占め、噴火湾から襟裳岬まで約390kmの海岸線を有します。
 産業は、室蘭・苫小牧を中心とした貿易、工業、登別や洞爺湖周辺の観光業、日高の軽種馬産業、さらには全域にわたる農水産業など、一次から三次産業まで幅広く展開されています。

2.平成24年度事業予算等について

 当部の平成24年度の事業予算は、公共費(補助)通常事業費、道州制北海道地域連携モデル事業費、社会資本整備総合交付金、地域自主戦略交付金に単独費を合わせて約182億円です。
 地域の皆様方が安心して暮らすことができ、活力ある社会を実現するため、地域の特性を活かしながら、限られた予算を効率的かつ効果的に執行していきます。

3.主な事業概要

■道路・街路事業
 道路事業は、まず、「災害に強い道づくり」として、大岸礼文停車場線(豊浦町)の未改良箇所に新規着手し、平取静内線(新冠町)と静内中札内線(新ひだか町)等について事業を継続、富沢日高三石停車場線(新ひだか町)の落石防護網と襟裳公園線の吹止式防雪柵は今年度完成の予定です。また、有珠山噴火に備えた迂回ルート整備のため、滝之町伊達線(伊達市、壮瞥町)、洞爺公園洞爺線(壮瞥町)で用地買収等を実施します。
 次に、「交通拠点等へのアクセス強化」のため、上厚真苫小牧線を完成させ、苫小牧市の西港地区と東港地区の連携を強化します。また、白老港への白老大滝線石山西通跨線橋についても今年度完成の予定です。さらに農産物の物流支援のため北進平取線(厚真町)のメルクンナイトンネルに着手、日高自動車道へアクセスする比宇厚賀停車場線(日高町)の整備を進めます。
 三つ目に「観光地やまちづくりの支援」として、登別温泉周辺の倶多楽湖公園線(登別市)やまちづくりと一体となった道路として美和豊浦停車場線(豊浦町)で整備を進めます。
 四つ目は「安全で円滑な道路空間の創出」として、荻伏停車場線(浦河町)の歩道拡幅を完成させ、自転車走行空間の確保を目的とした苫小牧環状線の整備を進めます。
 街路事業では、道央道・登別室蘭ICへアクセスする3・3・301中央通(登別市)の事業実施、3・4・3眺湖通(洞爺湖町)の本工事着手、3・4・9インター通(洞爺湖町)と3・4・102錦大通(伊達市)が今年度完成の予定です。

▲上厚真苫小牧線(苫小牧市) ▲3・4・9インター通(洞爺湖町)

■河川・急傾斜・地すべり・砂防・ダム事業
 治水対策事業として安平川、厚真川、知利別川(室蘭市)、波恵川(日高町)などで継続して整備を進めます。
 急傾斜事業では、室蘭中島本町3丁目4やえりも本町1-1などで整備を進め、上久保内地区(壮瞥町)では新規事業として地すべり対策に着手します。
 砂防事業では、貫気別川(平取町)、庫富沢川(日高町)、池売川(平取町)などで事業を継続し、災害時要援護者関連施設に係る土石流危険渓流である穂別沢川(むかわ町)、お寺の沢川(むかわ町)と避難所を保全するために変電所沢川(浦河町)で新規に事業を立ち上げます。
 さらに、火山泥流などに備え、火山噴火警戒避難事業により通信回線の整備を促進するとともに、火山噴火緊急減災対策砂防計画の策定を推進します。
 ダム事業は、厚幌ダムでダム本体詳細設計や現地CSG試験、付替道路の設計、埋蔵文化財、環境、水文調査等を行う予定です。
■建設海岸・漁港事業
 海岸事業では、黄金海岸(伊達市)、鷲別海岸(登別市)などにおいて、海岸の保全対策を継続し、春立海岸(新ひだか町)は今年度完成の予定です。
 漁港事業では、「災害に強い漁港」として、虻田漁港大磯分区(洞爺湖町)や鷲別漁港(登別市)、富浜漁港(日高町)などで事業を継続し、節婦漁港(新冠町)は今年度完成の予定です。

▲知利別川(室蘭市) ▲富浜漁港(日高町)



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