建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年6月号〉

副局長寄稿 後志総合振興局


雄大な自然環境・景観を生かし、地域を支える交通ネットワークの形成

 後志総合振興局

 副局長 三浦 孝利
 みうら・たかとし
 昭和31年8月15日生まれ 札幌市出身
 昭和54年4月 釧路土木現業所 事業課(新任地)
 平成16年4月 帯広土木現業所治水課長
 平成19年6月 旭川土木現業所富良野出張所長
 平成21年4月 室蘭土木現業所事業部長
 平成23年6月 水産林務部漁港漁村課長
 平成24年4月 現職

1.はじめに

 羊蹄山や積丹ブルーを眼下に望む神威岬など多くの景勝地や歴史的遺産を活かした「小樽運河」やスキーリゾートのニセコ地区をかかえ、国内外から年間二千万人の観光客が訪れ本道を代表する観光圏である後志管内では、果実をはじめ新鮮な農水産物やおいしい水など食資源と組み合わせた“しりべしの食と観光"の取り組みが盛んに行われています。また「泊原発に係る避難路の確保」「北海道新幹線の札幌延伸」「北海道横断自動車道」といった後志の将来にとり重要なプロジェクトも進行しつつあります。このようななか小樽建設管理部では、関係機関と緊密な連携を図りながら、地域の取り組みや大規模プロジェクトに関連する社会資本の整備に取り組んでまいります。

 昨年の東日本大震災では、地域の方々の安全・安心な暮らしを支える社会資本の重要性が再認識されました。当管内でも一昨年7月と昨年9月、2ヶ年続けて災害が発生しましたが、今年も融雪期と重なった大雨により地域に様々な影響を及ぼしました。台風、豪雨など災害時には迅速かつ的確な対応に努めます。
 いずれにしても、徹底的に地域に拘り、道庁力を発揮できるように職員とともに頑張りたいと考えております。

2.平成24年度当初予算

 小樽建設管理部の平成24年度公共事業予算は、111箇所、約79億8千6百万円(道州制除く)となっています。  事業別では、道路事業は、67箇所、42億8千5百万円、街路事業は、1箇所、5千万円、河川事業は、20箇所、17億9百万円、砂防関係事業は、15箇所、9億5千7百万円、漁港関係事業は、8箇所、9億8千5百万円を予定しております。

3.各事業の概要

■道路事業
 広域交通ネットワークの形成と地域産業の支援を目指し、今年2月に供用開始した、余市赤井川線の冷水トンネルが、今年度で事業完成となるほか、北海道横断自動車道関係では、余市・小樽間の小樽ICと小樽環状線を結ぶ小樽西インタ-線の整備を計画的に進めるとともに、小樽環状線の隘路部を解消する改築事業に今年度から事業着手します。
 このほか安全で円滑な冬季交通を確保するため、倶知安ニセコ線、仁木赤井川線などで雪崩対策や拡幅などの整備を、蘭越町の相生蘭越線、ニセコ町のニセコ高原比羅夫線・ニセコ停車場線などで歩行者などの安全を守る歩道整備を促進します。
 また、災害に対する安全・安心な通行確保のため、古平神恵内線、小樽定山渓線などで地すべり対策等の整備を促進します。

▲余市赤井川線道路改良工事(債務) ▲神社の川砂防工事

■街路事業
 岩内町の岩内洞爺線(3・4・3停車場通L=1,370m)で、歩道整備などを行う街路事業を促進します。
■河川事業
 洪水被害から人命や財産を守るため、余市川(余市町)、堀株川(共和町)、尻別川(喜茂別町、倶知安町、京極町)、朱太川(寿都町、黒松内町)では引き続き、掘削や築堤、護岸など河川改修を進めるとともに、親水性、生態系に配慮した河川環境の保全に努めます。
 また小樽市の勝納川では、環境整備事業として、憩いと潤いのある水辺空間の形成を図り周辺景観に配慮した散策路の整備を進めます。
■砂防関係事業
 土砂災害から人命や財産を守るため砂防事業として整備を進めてきた小樽市のテンジン川や京極町のワッカタサップ川が今年度に完成予定であり、新たに小樽市の銭函1号沢川や寿都町の岩谷の川に着手するほか、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定などソフト対策を促進します。
 がけ崩れによる土砂災害を防止する急傾斜地崩壊対策事業で小樽天神3丁目3に着手するほか、喜茂別町の鈴川(2)地区の地すべり対策事業を進めます。
 また建設海岸では、引き続き小樽市の銭函海岸で離岸堤など整備し、海岸の侵食防止対策を図ります。

▲小樽塩谷2丁目1急傾斜地工事 ▲銭函海岸侵食対策工事

■漁港事業
 水産物の安定的な供給と漁業活動の安全・安心の向上を図るため、水産生産基盤整備事業により、神恵内村の神恵内漁港、島牧村の厚瀬漁港・軽臼漁港の3港で防波堤など施設整備を推進するとともに、新たに日司漁港で施設機能強化事業、日司漁港及び軽臼漁港で機能保全事業に着手します。


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