建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年5月号〉

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北部・北東部の防災を担う「北消防署庁舎」の完成

── 機能性を重視した庁舎構造と地域 ・周辺と調和した外観計画

函館市 北消防署庁舎改築事業

函館市が建設を進めている、北消防署は「消防組織機構再編計画」に基づき、北部および北東部の防災拠点として消防行政サービスを総合的かつ効果的に推進するため、老朽化した庁舎を改築するものである。
 新築庁舎の美原3丁目周辺は産業道路に近く、沿線は物品販売業などの商業地区で住宅も集積し、さらに文教施設や総合病院も点在している。
 主な建築計画では各部門、諸室の特性を把握し機能性を重視した。緊急時の出動動線や消防活動後の衛生面(感染症防止)などの考慮や、維持管理・運営のしやすいゾーニング・動線計画とした。また、2階南面の窓より全面道路を一望できる眺望の良い幅広の窓を設置している。
 配置計画では、消防署の重要機能である、消防車・救急車の緊急出動が安全で迅速に行えるよう車庫前のエプロンを広く取っている。敷地内の北側・南側には31台分の駐車スペースを確保した。さらに、隣接地に配慮し敷地境界線から程良い離れを確保し、圧迫感の緩和をしている。  平面計画として、1階は消防車・救急車の車庫を中心として消毒室、保管庫、準備諸室、研修ホールなどを配置し、2階には事務室、仮眠室、トレーニング室を配置した。各仮眠室からは迅速に出動出来るように2方面の階段を配置している。また、敷地西側には資機材庫棟を計画し、庁舎との連携を図っている。
 外観計画では、横長の建物形状から、庁舎正面の2階窓も横方向を意識した連窓形状としたほかに建物周囲の商業地・住宅地に配慮し、清潔感ある色彩計画で1階を暖かいクリーム色、2階を薄いグレーの2色に塗り分けた外観とした。
 地域防災の拠点としての役割を担い、北消防署庁舎は3月下旬に完成した。



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